2013 Fiscal Year Annual Research Report
省電力機能を有するネットワークにおけるトランスポートプロトコルの通信特性調査
Project/Area Number |
24700071
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
福田 豊 九州工業大学, 情報科学センター, 助教 (90372763)
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Keywords | ネットワーク / 省エネルギー |
Research Abstract |
本課題は,消費電力削減のためトラヒック特性に応じてネットワークの転送性能が動的に制御されるネットワークを想定し,動的な転送性能制御が端末間のフロー制御を担うトランスポートプロトコルの通信性能に与える影響について調査を行った.最終年度は [1] シミュレーション環境の拡張,[2] 実機実験の継続を行った. [1] シミュレーション環境構築 昨年度構築したシミュレーション環境を拡張し,複数台のノートパソコンを導入してトラヒックを送受信する組を複数準備した.また,既存設備を活用し,往復伝搬遅延時間を変化させることができるように構成を変更した. [2] 実機実験の継続 実施者が有する動的な転送性能制御機能 (到着トラヒックに応じてリンク本数を制御することで,動的にスイッチ間の転送性能を制御) を有効にし,TCP NewReno や Vegas, CTCP 等のトランスポートプロトコルを用いたスループット特性の検証を昨年度に引き続き行った.環境を変化させてシミュレーションを行ったが,特に遅延による影響が顕著であったため,トランスポートプロトコルとしては NewReno と NewReno with Sack option を対象とし,遅延の程度により通信特性にどのような影響があるのかを調査した.その結果,動的な転送性能制御環境下では遅延時間によって通信特性が大幅に低下してしまう可能性があり,フロー制御の帯域推定の際には動的な転送性能の変化を検知して対応する仕組みが必要となることが分かった.また,これまで得られた実験結果の一部をまとめて,国際会議 ICOIN 2014において研究発表を行った.さらに,本課題について国内外の研究者と議論を行い,課題共有に努めた.
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