2013 Fiscal Year Research-status Report
位置情報に最適化された空間構造化オーバレイネットワーク
Project/Area Number |
24700075
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
斉藤 裕樹 明治大学, 総合数理学部, 准教授 (70333127)
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Keywords | 位置情報サービス / P2Pネットワーク / オーバレイネットワーク / 実世界情報処理 |
Research Abstract |
本研究では、実世界の膨大な情報をP2Pモデルを適用したオーバレイネットワークアーキテクチャの構築と評価を行っている。これは、実世界情報の特性に着目し、効率的に情報を分散管理する枠組みを検討し、スケーラビリティを有するシステムへの応用を目指すものである。平成25年度の研究成果では、実世界データの冗長性に着目した補間処理に適した分散データ管理手法の検討を進めた。 センサネットワークなどの計測インフラストラクチャから得られる情報は精度が低く計測空間粒度が不均一であるため、アプリケーションでの活用には統計的なアプローチが必要となる。これに対して、本研究では「モデル表現レイヤ」と呼ばれる、計測インフラに依存しにデータの抽象表現を考案し、グリッド状に表現された空間を分散管理する枠組みを構築した。また、この枠組みでは、データの冗長性を排するため二次関数近似曲線を計算することによって特徴点を抽出し、データ量の圧縮を可能としている。以上の提案手法を計算機上にシミュレータを実装し基礎特性の確認を行った。 現在、シミュレーションは静的なネットワークでの評価を行っており、時系列データを扱うに至っていない。時系列データを扱うことによって二次関数近似曲線の再計算が必要となることから、ピアの加入/脱退によるネットワーク構造の動的変化を生じる。動的変化のコストは実際の運用時には無視できないものと考えられることから、この問題については次年度に検討することとしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アルゴリズムの改良、シミュレータの開発は順調に進展している。シミュレータの機能を強化することで、提案するP2Pネットワークの詳細な特性(グラフ特性、経路制御における最短ホップ数、検索コストと精度)を確認する作業が進んでいる。一方、シミュレーションは静的なネットワークでの評価を行っており、時系列データを扱うに至っていない。時系列データを扱うことによって二次関数近似曲線の再計算が必要となることから、ピアの加入/脱退によるネットワーク構造の動的変化を生じる。動的変化のコストは実際の運用時には無視できないものと考えられることから、この問題については次年度に検討することとしたい。 研究発表については、学会論文誌、査読付国際会議論文への掲載をそれぞれ1件、国内シンポジウムでの発表を1件行った。
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Strategy for Future Research Activity |
実世界情報に適したネットワークトポロジおよび経路制御アルゴリズムについて、引き続き改良を行う。特に、動的構造変化に適したアルゴリズムについては、まだ検討が浅いため時系列データを効率的に扱う手法を考えていく。現在は、空間的な情報についてのみ二次関数近似曲線による特徴点抽出で冗長な情報の削減を行っているが、時系列情報について同様の手法が適用できるかを、実世界のデータセットによって評価を行い、結果を元に改良を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予算使用において端数が生じたため。 次年度使用額(B-A) 472円は、当年度の予算使用上の端数である。端数を次年度に引継ぎ、使用する予定である。
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