2012 Fiscal Year Research-status Report
広領域自然環境モニタリングのための光ファイバセンサネットワークの構築
Project/Area Number |
24700077
|
Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
篠宮 紀彦 創価大学, 工学部, 准教授 (60409779)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 光ファイバセンサ / 光通信 / 農業支援システム / ネットワーク管理 |
Research Abstract |
平成24年度は、まず、農業の現状と問題点を調査するため、農業従事者や専門家から要求分析を行いシステムに必要な機能や農作業で必要な環境情報を定義し、環境情報を計測するためにセンサの選定を行い、自動計測システムの設計と構築を行った。また、システムの自動化・遠隔モニタリングを行うため計測ソフトウェアの開発を行い、動作実験によって遠隔PC及びスマートフォンで観測することができた。農地への展開に向けて、光ファイバセンサの保護ケース作製とその性能検証、気温変動環境におけるセンサの性能検証を確認した。その結果、作成したケースの耐久性は高いことが確認されたが、センサが温度影響を受け、計測性能に支障をきたす可能性があることが分かった。さらに、複数のセンサ状態を識別する手法を確立するため、ネットワーク管理プロトコルとして標準化されているSNMP(Simple Network Management Protocol)を用いて、SNMPエージェント端末にセンサ情報を格納するシステムの構築を行った。そして、検証実験によってセンサ状態を識別し、ネットワーク機器の管理とセンサ状態の識別を行う手法を確立した。 一方で、センサネットワークの別の応用を目指し、高齢者の生活支援を目的とするセンサネットワークとロボットの統合管理システムの構築を行った。具体的にはシナリオ分析を行い、システムに用いるロボットの要求機能を検討し、支援ロボット管理システムの提案と試作を行った。試作システムでは経路検索を自動化するアルゴリズムの実装を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
使用している計測機器に若干の不具合があるため、計画が遅れることもあったが、その後に進捗を早めて最終的には順調に進めることができている。光ファイバセンサを作成する際、性能が安定しないことがあり、また、データ通信と併用することにより計測信号に想定外の影響を与えることが分かったため、今後、実験を進めるにあたって技術的な課題として考慮していく必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまで開発してきた光ファイバセンサは、センシングのみの用途であれば十分な信頼性と再現性を実現できてきた。しかし、より効率的なシステムを実現するため、データ通信と併用しようとすると、信頼性と再現性に問題が生じることが実験によって明らかになった。今後は、更なる原因究明に注力し、様々な計測器や光学機器との組合わせによって安定したシステムを実現するための課題に取り組んでいく。 また、室内にてシステムの要素技術について研究するばかりではなく、実際の農園および農作物を対象とするシステムとして展開し、農業を進める上で求められる機能の充実を図り、より効果的なシステムの実現を目指す。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記の研究推進方策に対応し、分岐比率の異なる光カプラーや波長特性の異なる光信号強度計測器などを購入する必要がある。また、小規模の農園を再現するための環境構築資材を購入し、ネットワークを介して遠隔かつリアルタイムに計測するコンピュータシステムも構築するための機器が必要となる。
|