2014 Fiscal Year Annual Research Report
通信品質を保ちネットワーク機器の電力消費量を抑制するトラヒック集約・分散経路制御
Project/Area Number |
24700081
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
田村 瞳 福岡工業大学, 工学部, 助教 (30423601)
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Project Period (FY) |
2013-02-01 – 2015-03-31
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Keywords | インターネット / 省電力 / 経路制御 / Source Routing |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,インターネットにおけるルータの電力消費量を削減しながら通信品質を低下させないような経路制御を行うため,インターネットにおけるネットワークトポロジ情報を利用した経路制御手法を提案し,その性能評価を計算機シミュレーションにより実施した.提案手法における経路制御の指針として,網内のトラヒックを少数の経路に集約するだけでなく,集約する経路のホップ数を可能な限り短くすることで通信品質の低下を防ぎ,かつ,現実のネットワークにおいて実現が可能な手法とする,という方針を定め,H25年度に検討したネットワークトポロジを特徴付ける特徴量のさらなる検討を行い,その特徴量を利用した経路制御手法を提案して性能評価を行った.ネットワークトポロジの特徴量として,次数中心性,近接中心性を用い,それらの特徴量が最大値となるノードを全ノードとの距離が近いノードであるものと想定して,始点ノードから終点ノードまでに敢えてそれらのノードを一度経由することを提案した. 提案手法適用時にスリープ可能なリンクやノードの割合を調査して省電力性能の評価を示し,通信経路の増加量も調査した.計算機で生成したスケールフリーネットワークであるBarabasi-Arbert(BA)モデルに加え,実在のInternet Service Provider(ISP)におけるルータ・レベル・トポロジにおけるシミュレーション結果より,本提案手法において省電力化が有効に機能することを示すことができた.さらに,各経路のホップ数増加量が1ホップ程度であり,通信性能については大きな劣化が見られないことも確認した.また,次数中心性を利用した場合と近接中心性を利用した場合とで省電力性能と通信性能の劣化度合いに大差ないことを確認し,計算量を勘案すると次数中心性を利用することが省電力経路制御に有効であることを示すことができた.
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Research Products
(2 results)