2012 Fiscal Year Research-status Report
ユーザビリティと高性能を両立するクラウド型リアルタイム画像解析処理ミドルウェア
Project/Area Number |
24700082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
岩田 健司 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 研究員 (80549890)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ミドルウエア / 画像処理 / 画像解析 / クラウド・コンピューティング |
Research Abstract |
クラウドベースの画像解析アプリケーション開発ミドルウェアを構築するための基礎的な技術として,以下の2点について研究開発を行なった。 まず、HTML5等のWEB技術を用いた画像解析アプリケーション記述のためのGUIの開発を行う。画像解析アプリケーションをWEBブラウザ上で開発可能とするため、画像解析フローや入出力、各種パラメーター類の記述方式を検討し実装した。画像解析アプリケーションは内部的にはXMLをベースとした木構造で記述され、WEBブラウザ上ではフォームやフローとして表現され、自在に変更・拡張が可能なものである。 次に、クラウド環境下における画像解析アプリケーション実行基盤の開発を行なった。前述のGUIにより記述されたフローやパラメータを反映し、サーバー側で画像解析アプリケーションを実行する技術について研究開発を行なった。オブジェクト指向プログラミングで例えると、画像解析フローがオブジェクトのクラス、パラメータ類がプロパティとなり、サーバー側でインスタンスを発行し実行するような形式となっている。また、各種の画像処理プログラムを開発し、再利用と機能拡張が容易になっている。カラー処理、フィルター処理などの基本的な画像解析アプリケーションを開発し、特に衛星画像の解析において本ミドルウェアの有効性を示した。これらの研究成果について、国内研究会1件、国際会議1件を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の開発目標であった、WEBベースのインターフェース、クラウド可における実行エンジンについて、順調に開発が進んだ。衛星画像解析のアプリケーションにおいて、本システムの有効性を示し、その研究成果について国際学会1件,国内研究会2件の研究発表を行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
クラウドベースの画像解析システムで必要な、可視化基盤を構築する。具体的にはWEBブラウザに対しリアルタイムに解析結果をビジュアライズする。解析結果を利用者にリアルタイムに提示する方法を開発する。サーバー側からのリアルタイムな通知のためにWebSocketなどの技術を活用する。 また、大規模なデータ解析処理に対応するため、画像解析におけるパフォーマンス低下の原因となる特有の諸問題(データ転送等)を明らかにし、新しいプログラム記述方式を開発し,高速な実行環境を実現する.画像解析自体は並列度が高く、分散処理の効果は大きいが、反面データ量が多く頻繁に通信を行うと、ネットワーク速度がボトルネックとなる。そこで最適なデータの分割方法を、自動あるいはユーザーが指示する形で定める方法を検討する。作成したシステムをリモートセンシングや医療画像診断などの大規模画像解析などに実際に適応し、高速性とスケーラビリティの検証を行う。 研究成果は研究会及び国際会議、論文誌等において積極的に発表する。また、関連研究の文献等を精査し、国内外の会議に参加し調査を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
開発に必要なPCやソフトウェアの購入費として使用する。 プログラム開発の謝金として使用する。 研究成果発表および関連技術調査のため、国内外の研究会、国際学会への参加費、旅費、論文印刷代、英文校正費として使用する。
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