2013 Fiscal Year Research-status Report
ユーザビリティと高性能を両立するクラウド型リアルタイム画像解析処理ミドルウェア
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24700082
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
岩田 健司 独立行政法人産業技術総合研究所, 情報通信エレクトロニクス分野研究企画室, 企画主幹 (80549890)
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Keywords | ミドルウエア / 画像解析 / 画像処理 / クラウドコンピューティング |
Research Abstract |
クラウドベースの画像解析システムで必要な、可視化技術を構築した。WEBブラウザに対しリアルタイムに解析結果をビジュアライズし、解析結果を利用者にリアルタイムに提示する。ネットワークを介してデータを転送することから、すべてのデータを逐次転送することは、回線容量の問題があり現実的ではない。そこで画像の圧縮や縮小など、効率的な方法を実装した。サーバー側 からのリアルタイムな通知のために、HTML5のWebSocket技術を活用している。 また、大規模なデータ解析処理に対応するため、画像解析におけるパフォーマンス低下の原因となる特有の諸 問題(データ転送等)を明らかにし、それらを解決するためのプログラム記述方式の検討を行ない、マルチコアを用いた並列化、パイプライン化の基礎的な部分の実装を行った。分散処理技術として代表的なMPIやMapReduce等があり,画像解析の分散システムについては、VIOSなどの前例があるため、関連する研究を調査し、本研究での問題領域を設定した。 作成したシステムについては、本研究とは別件として進めている企業などとの共同研究を通じて、リモートセンシングにおける解析研究などに応用し,動作検証や問題点の洗い出しを行なった 。 これらの研究成果は国際会議1件において発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、リアルタイムなビジュアライズ基盤、並列化・高速化技術の検討と基礎的な実装が完了しており、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
画像解析の高性能計算のための実行基盤の研究と,大規模データ解析のための分散処理技術の研究開発を行う。画像解析におけるパフォーマンス低下の原因となる特有の諸問題(データ転送等)を明らかにし、新しいプログラム記述方式を開発し,高速な実行環境を実現する.画像解析自体は並列度が高く、分散処理の効果は大きいが、反面データ量が多く頻繁に通信を行うと、ネットワーク速度がボトルネックとなる。そこで最適なデータの分割方法を、自動あるいはユーザーが指示する形で定める方法を検討する。また、分散処理の発行機構について開発を行う。具体的には、機能拡張をモジュュール化し各分散実行マシンに転送する。ユーザからの要求に従い、ホストサーバーかガ各分散実行マシンに対して異なるプロパティ(異なるデータ分割領域)をもつインスタンスを発行する。最終的にホストサーバがデータを統合し、結果を提示するシステム構成を考えている。 作成したシステムをリモートセンシングなどの大規模画像解析に実際に適応し、高速性とスケーラビリティの検証を行う。また、研究成果をクラウドサービスとして運用し、リモートセンシングや画像解析の研究者に実際に利用してもらうことで、ユーザビリティの検証を行う。そのフィードバックを受けて問題点の洗い出し、検討を繰り返し行うことで、ユーザーインターフェースを含むシステム全体のブラッシュアップを継続的に行う。研究成果は研究会及び国際会議、論文誌等において積極的に発表する。また、関連研究の文献等を精査し、国内外の会議に参加し調査を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品等にあげていた費用が少なくすんだため。 並列動作を検証するための設備・消耗品・ソフトウエアの費用として使用する。
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