2013 Fiscal Year Research-status Report
ストーリー性に着目した地理空間コンテンツ編集・提示環境
Project/Area Number |
24700086
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
藤田 秀之 電気通信大学, 大学院情報システム学研究科, 助教 (90431840)
|
Keywords | 地理情報システム / インタラクティブソフトウェア / コンテンツ / 空間情報 / ユーザインタフェース / 地図 / CGM |
Research Abstract |
スマートフォンの普及に伴い,写真や文章を位置情報付きで残す習慣は一般化すると期待されるが,その閲覧方法は,単純な地図化に留まっている.これらを手軽にストーリー形式のコンテンツ(例えば旅行記)に編集・公開する環境が整えば,行動や体験に基づく,地域に関する多様で総合的な知識が共有され,コンテンツ制作の動機付けとなることも期待される.本研究では,(1)コンテンツからの場所情報抽出エンジンを開発し,(2)ストーリー進行と場所の範囲や移動の関係を時空間的にモデル化し,本モデルを用い,(3)半自動生成を含むコンテンツ編集環境を実装することを目的としている.位置・時刻情報を持つフレームのシークエンスとして構成される地理空間コンテンツを対象に,フレーム間の時空間属性の推移に着目して,シークエンス中のフレームが受け手にとって違和感なく連続するためのルールとして,ストーリー性の基礎的モデルを構築する.本モデルを活用したコンテンツ編集・閲覧ソフトウェアを実装してユーザスタディを行い,モデルやインタフェースの改善を図る,という研究計画に従い,H25年度は,テキスト中の場所名,画像ファイルの位置情報,サービス固有のメタデータ等からコンテンツの位置情報を抽出する,場所情報抽出システムの改善を行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の一部は,開発した場所情報抽出システムにより,コンテンツから複数の手段で位置情報を取得することが前提となっているが,検討を進めるうちに,今後の計画において,空間的なスキーマを考慮した位置情報の抽出が重要になると判断し,当初計画していた場所情報抽出システムによるコンテンツ分析を先延ばしにして,空間的なスキーマを考慮した位置情報の抽出を目的とした,位置情報抽出エンジンの改善を行った.
|
Strategy for Future Research Activity |
位置・時刻情報を持つフレームのシークエンスとして構成される地理空間コンテンツを対象に,フレーム間の時空間属性の推移に着目して,シークエンス中のフレームが受け手にとって違和感なく連続するためのルールとして,ストーリー性の基礎的モデルを構築する.また,構築したモデルを利用し,コンテンツの編集・閲覧環境の構築およびユーザスタディと改善を行う.具体的には,ストーリー形式の地理空間コンテンツとして,(a)位置情報付き写真スライドショー,(b)旅行記ブログ,(c)Google Earth 「ツアー」を対象とし,H25年度に開発・改善した位置情報抽出エンジンを利用して,コンテンツの各フレームへの時空間属性付与し,上記のモデル化,編集・閲覧環境の構築,ユーザスタディと改善を行う.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「現在までの達成度と理由」に示したとおり,当初計画していたコンテンツ分析とモデル化を先延ばしにして,位置情報抽出エンジンの改善を行ったため,次年度使用額が生じた. 先延ばし分の予算と,H26年度分の予算を,当初の予定どおりの使途で使用する計画である.
|