2014 Fiscal Year Research-status Report
マルチコア環境における複数演算の並列評価による低遅延データストリーム処理
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24700087
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡辺 陽介 名古屋大学, 未来社会創造機構, 准教授 (80532944)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | データストリーム / マルチコア / 並列処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
センサーデータやログ情報などのように,時間の経過に伴って次々と生成されるストリームデータが増加し,それらに対するデータ処理技術に注目が集まっている.ストリームデータ処理ではリアルタイム性を求められることが多く,処理遅延の削減は重要な課題の一つである.本研究の目的は処理遅延を減らすために,複数のCPU コアを用いて同一データに対する複数演算を並列評価する処理方式を実現することである.
本年度では,提案並列化方式が有効に機能しうる利用状況の一つである,動的に選択された情報源の統合について引き続き検討した.動的に情報源を選択するとは,例えば「位置情報に基づいて最寄りのセンサーからの入力に切り替える」等のように,ストリームデータの現在の値に依存して問合せ中で使用される情報源を決定することである.本研究で開発するプロトタイプシステムに情報源の動的選択の機能を盛り込むため,必要な処理機構について検討し,実装を行った.
検討を進めていく過程で,本機能の実現には実行中のクエリの内部構造を操作し,別のものに書き換える枠組みが必要であることがわかった.クエリの内部構造は,複数の演算やキューを連結したツリーデータまたはグラフデータとみなすことができる.そのため,グラフデータの管理機構をシステム内部に組み込むことで,クエリ内部構造の操作に高い汎用性と柔軟性を持たせられると判断した.そこでリンクドオープンデータの記述などに用いられるRDF (Resource Description Framework)を用いてクエリの内部構造を表現し,その書き換えをRDFデータに対する更新操作として実現した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究のシステム開発では,当初は内部データ構造を独自方式で表し,外部から操作させない構想であった.しかし,研究を進める上で,内部データ構造にRDF等の国際規格のグラフ表現を用い,外部から動的に変更できるAPIを備えさせることで,従来のストリーム処理とは異なる高い柔軟性を実現できることを発見した.そこで設計の見直しと開発期間の延長を行ったため,評価や成果発表を年度内に完了することが難しくなった.
研究期間の延長を申請し,受理されている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の延長を申請し,受理されており,この延長期間では,プロトタイプシステムの実験評価と成果発表を行う.
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Causes of Carryover |
本研究で得た新たな知見に基づき,システム開発で設計の見直しと開発期間の延長を行ったことにより,評価や成果発表を年度内に完了することが難しくなったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
延長期間では,プロトタイプシステムの実験評価と成果発表を行う.実験評価のための実験設備は揃っており,未使用額は主に成果発表のため,具体的には会議発表の参加費や旅費,論文掲載料として用いる.
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Research Products
(1 results)