2013 Fiscal Year Research-status Report
あらゆる反射特性に対応した環境照明下の動的シーンのリアルタイムレンダリング
Project/Area Number |
24700093
|
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
岩崎 慶 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (90379610)
|
Keywords | レンダリング |
Research Abstract |
現実世界の複雑な照明を画像(環境マップ)として用いる環境照明は,高精細な画像を生成することができるレンダリング手法の一つである.しかしながら,あらゆる方 向から入射する光を考慮するため計算コストが高く,リアルタイムにレンダリングすることが難しい.そのため,従来手法ではリアルタイムレンダリングを実現するために,静的なシーンや扱える反射特性などに制限があった.本研究では,任意の反射特性に対応した環境照明下における動的シーンの高速レンダリング法を提案する. 平成25年度では,複雑な反射特性を持つ材質として布を対象として研究を行った.布の反射特性モデルとしてマイクロシリンダモデルが提案されている.本研究では,このマイクロシリンダモデルを用いて,環境照明下の布のインタラクティブレンダリング手法を提案した.環境照明を球面ガウス関数の線形和で近似た.マイクロシリンダモデルにおける糸の散乱関数はガウス関数で表現されており,ガウス関数を円形ガウス関数で近似する.環境照明を近似する球面ガウス関数は円形ガウス関数の積で計算されるため,布の輝度計算は円形ガウス関数の積分計算で統一的に処理することが可能となる.円形ガウス関数と布や別の物体による遮蔽を考慮した可視関数との積の積分を効率的に処理する手法の提案を行った.輝度計算処理をGPUを用いて高速化することによりインタラクティブな布のレンダリング手法を実現した.さらに,布の反射特性をレンダリング時に変更できるようにした.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
布の反射特性は,糸の表面での反射および糸内部に光が透過し,内部で散乱して再び糸外部へ透過する光である体積散乱を考慮する必要があるため,複雑な反射特性であることが知らている.本研究では,これらを解決した手法を提案し,成果を論文にまとめ,Eurographics2014に投稿し採択された.
|
Strategy for Future Research Activity |
現時点での提案法の課題として,布が固定という制限がある.平成26年度は,変形する動的な布の高速レンダリング手法の提案を遂行したい.変形する布の場合,可視関数が毎フレーム変化するため,前計算しておくことができない.効率的な可視関数計算手法の提案・開発を行う予定である.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果をまとめて投稿し採択されたEurographics2014が平成26年度初頭(4/7から4/11)に開催のため,旅費として必要だったため. Eurographics2014の旅費として使用する
|
Research Products
(6 results)