2014 Fiscal Year Annual Research Report
あらゆる反射特性に対応した環境照明下の動的シーンのリアルタイムレンダリング
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24700093
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
岩崎 慶 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (90379610)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | レンダリング / イメージベーストライティング / BRDF / 球面ガウス関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,現実世界の複雑な照明下における布のレンダリング手法,および動的シーンを高速にレンダリングするための基盤技術であるレイトレーシング法の研究を行った.高精細な布の質感を表現するためには,布の反射特性および現実世界の複雑な照明を考慮する必要がある.本研究では,布の反射特性として近年注目されているマイクロシリンダーモデルを採用した.マイクロシリンダーモデルは,布を構成する糸を微小な円筒(マイクロシリンダー)として表現する.布の反射特性は,織り込んだ糸をサンプリングし,各サンプリング点での接線と法線を基底とする局所座標系において計算する.布の反射特性は,局所座標系における角度を用いてガウス関数として表現される.本研究では,入射する照明を球面上のガウス関数である球面ガウス関数の線形和で近似する.球面ガウス関数と反射特性を表現するガウス関数の積の積分を効率的に計算する手法を提案した.この研究では,布を固定として計算しており,動的な布に適用することは難しい.そこで,反射特性および入射照明の積に比例した確率密度関数を求める手法を提案し,重要度サンプリングすることで動的な布のレンダリングへ適用させる方法を提案した.反射特性及び入射照明はガウス関数としてよく近似することができる.重要度サンプリングするための確率密度関数の計算において,不定積分の逆関数を求める必要がある.ガウス関数は,不定積分の逆関数を解析的に求めることが難しいため,ガウス関数と似た分布であるコーシー分布で近似する手法を提案した.コーシー分布は不定積分の逆関数が解析的に求めることができる.本研究により,同時間レンダリングにおいて一様サンプリングと比べて少ないノイズの画像を生成することが可能となった.
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