2012 Fiscal Year Research-status Report
ユーザ閲覧行動と周辺コンテンツの質的評価に基づく協調型画像撮影アシスト方式
Project/Area Number |
24700098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
北山 大輔 工学院大学, 情報工学部, 助教 (40589975)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ユーザ意図分析 / 情報推薦 / 地理情報検索 / オンライン地図 |
Research Abstract |
24年度に置いては,撮影行動と撮影場所推薦のみならず,オンラインショッピングサイト上での商品閲覧行動と商品推薦,レストラン検索における地理情報プロパティ操作履歴とプロパティ自動調整に取り組むことで,より一般的なユーザ行動のモデル化およびコンテンツ推薦に取り組んだ.このことにより,ユーザの行動モデルの設計方針および,フィードバック情報の提示方針についての知見を得た.具体的な成果について以下に述べる. (A)ユーザの行動履歴と他ユーザの閲覧履歴に基づくコンテンツ推薦 レストラン検索サイトにおける検索プロパティ(領域,金額,評価,カテゴリ等)の操作履歴やオンラインショッピングサイトにおけるユーザの閲覧履歴を蓄積・解析することで,レストランや商品の推薦を行う方式を開発した.その中で,プロパティ操作に含まれる暗黙的な連動プロパティの抽出,商品閲覧行動に含まれる,閲覧目的の抽出など,ユーザ行動のモデル化を行った. (B)プロパティ間の関係,商品間の関係の抽出に基づくフィードバック情報の提示 (A)において分析し得られたデータを用い,その関係に適したレストラン推薦,商品のリランキングを行った.レストラン推薦においては,連動プロパティの抽出に関して評価実験を行い,連動プロパティによる自動的な検索プロパティ調整を行うことで,ユーザの検索操作回数を減らせる可能性があることを確認した.また,商品閲覧行動分析において得られた,商品間の暗黙的な関係を用いることで,閲覧目的により合致する代替商品の提示,商品の使用目的抽出による比較インタフェースの構築の可能性を確認した.このように,行動分析によって得られた暗黙的な関係を用いることで,ユーザの行動を改善できるフィードバック情報の提示を可能とした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は,玉石混合となっている写真共有サイトにおけるコンテンツのクオリティ向上を目指し,撮影者に対する支援技術の開発を目的としているが,本年度は撮影行動分析のみならず,より一般的な地理情報検索システムにおけるユーザ行動分析モデル,またユーザの目的が明確に得られやすいオンラインショッピングサイトにおけるユーザ行動分析モデルと発展的に,ユーザモデルの構築を行うことができた.また,これらの行動分析から得られた,行動間もしくはアイテム間の暗黙的な関係を利用することで,ユーザ行動の改善が可能である事を評価実験により確認することができている.なお,本研究課題においては,国際ジャーナル1本,国際会議4本,国内研究会3本の成果をあげている.今後は,本来対象とするべきであった写真共有サイト上におけるユーザ行動に,これらの地理情報検索,オンラインショッピング上でのユーザ行動モデルを適応することで,効率的に研究開発を進めることが可能であると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,対象としている写真共有サイト上におけるユーザ行動に,24年度に得られた成果である地理情報検索,オンラインショッピング上でのユーザ行動モデルを適応することで,効率的に研究開発を進める.具体的には以下のように取り組む. (A)ユーザの撮影履歴と他ユーザの撮影コンテンツに基づく撮影場所・時間の推薦 Flickrなどの写真共有サイトからの位置情報付きの写真データを収集し解析することで,あるユーザの撮影履歴を用いて,仮想的な現在地に対する撮影場所・時間の推薦方式を開発する.具体的には,撮影履歴からの撮影者の特徴を抽出しモデル化する.平成25年度では,単一のオブジェクトに対して撮影された写真データに限定し,撮影者の特徴モデル,位置・時間の推薦アルゴリズムの構築を行う. (B)写真共有時における閲覧者行動分析に基づくフィードバック情報の提示 (A)において収集したデータに加え,さらに写真に対するコメントデータ,コメントしたユーザがコメントしている他の写真データとそのコメント,写真の位置情報に地理的に近い写真データ,写真の時間情報に時間的に近い写真データを収集するシステムを開発する.収集したデータに対し,仮想的なユーザ行動を生成し,それらを分析することで,ユーザの閲覧行動モデルを構築する.24年度の行動モデルでは考慮していなかった,コメント,お気に入り登録などの写真に対して行う動作から評価の極性(ポジティブ,ネガティブ)を加味してユーザの意図を判定する.これらの考えに基づきプロトタイプシステムを構築し,写真を日常的に撮影しているユーザに対し,通常の写真共有サイトで得られるフィードバックと本システムで得られるフィードバック情報の有用性に関しての評価実験を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(A)ユーザの撮影履歴と他ユーザの撮影コンテンツに基づく撮影場所・時間の推薦において,対象とする写真共有サイトのデータをクロールするサーバの購入を行う.(B)写真共有時における閲覧者行動分析に基づくフィードバック情報の提示においても同様にデータクロールのためのサーバを購入する.それぞれ,開発用PCの購入を行い,効率的にソフトウェア開発を行う.開発および実験のために,写真撮影が可能なスマートデバイスを複数台購入する予定である.また,これらのデータのバックアップメディアの購入,データチェックのための印刷消耗品類等の消耗品費を必要とする.これらの研究成果を発表するために,国内旅費を3件分,海外旅費を2件分申請する.またそれに伴い,クオリティの高い英文論文を執筆するために英文校閲に用いる人件費を必要とする.また,論文誌への積極的な投稿を行い,採択を目指す.そのため,論文の投稿費用としてその他の区分での研究費を申請する.
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Research Products
(8 results)