2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24700108
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Research Institution | Gifu City Women's College |
Principal Investigator |
木村 充位 岐阜市立女子短期大学, その他部局等, 准教授 (20352825)
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Keywords | データベース / 信頼性理論 / 確率 |
Research Abstract |
近年,災害等によるデータ損失へ対応し,レプリケーションと呼ばれるネットワークを介して遠隔地(リモートサイト)にバックアップデータを保存する手法が運用されている.本研究では,さまざまなレプリケーション方式(大和純一ら[2004],菅真樹ら[2005])に ついて,マルコフ再生過程を用いた確率モデル(Osaki[1992])により解析的に分析し,さらに被災による復旧動作やレプリケーションによるさまざまなコスト変動を解析的に考察してデータベースのバックアップに関する管理・運営について最適方策を提案すること を目的としている.平成25年度では,メインサイトとリモートサイトの間に配置した中継装置のバッファにデータを格納することにより,応答時間の短縮と通信負荷の平滑化ができる中継バッファ方式について,中継装置のバッファにアクセスするコスト等を考慮した総合的コストを最小にする最適なレプリケーション間隔について議論した.特に先行研究では同期型レプリケーションと中継バッファ方式のレスポンスタイムの比較により,中継バッファ方式の有効性の検証は行われているものの,レプリケーションの実行に伴うコストやデータ更新による中継装置にアクセスするコストの変動を解析的に考察しているものはない.また,データ更新やサーバのダウンは不確定的に発生するため,データ更新やそれに伴うレプリケーションの実行,さらにサーバダウンに伴うシステムのすべての挙動に確率過程を仮定してレプリケーション方式を評価するモデルは重要であり,意義あるものと考え論文としてまとめた.実際にこれらの成果は国際会議や国際的な学会論文誌に認められ,公表してきた.
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