2012 Fiscal Year Research-status Report
操作者のバイオフィードバックによるアクティブカップリングの実現に関する研究
Project/Area Number |
24700113
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤羽 克仁 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (70500007)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | Haptic device / Human interface / Virtual Reality |
Research Abstract |
把持力の測定を可能にする軽量な力覚提示グリップの設計について 力覚提示グリップは軽量でなければ力覚提示能力が低くなってしまうため,把持力を計測する部分はできるだけ軽量に設計しなければならない.また,センサのデータを取り込むための周辺回路も小型化しなければならない.そのために,これまでの研究成果を生かして,専用の小型軽量で把持力計測を可能にする力覚提示グリップを設計することを試みた.最大5本の指先が力覚提示グリップを把持するときの各指にかかる力を測定する装置の設計を行った.力覚提示部には把持する各指の腹が接触する部分に軽量な薄膜タイプの力センサを配置し各指にかかる力を測定するための計測回路の設計を行った.計測される力には把持力のほかに力覚提示装置が発生している力(提示力)も含まれるため,計測される力から把持力と提示力の分離を行うためのグリップの構造について設計を行った. 高速な専用計測コントローラの設計について 把持力の計測に遅延が大きいと操作者のバイオフィードバックの効果が得られない可能性がある.我々は200kHzの更新周波数を実現する力覚提示装置のコントローラを開発している.その高性能コントローラで有効にデータを利用するため,最大200kHzで動作する高速A/Dコンバータでデータを取り込む専用の計測装置の設計を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
把持力の測定を可能にする軽量な力覚提示グリップの設計について:把持力測定用のグリップの設計と最適なセンサ配置のための試行錯誤のためにいくつか試作品を作成した.センサの値をリアルタイムに解析可能な測定器の機能により設計が効率よく行えている. 高速な専用計測コントローラの設計について:把持力測定を可能にする専用の力覚提示装置のコントローラの設計において、いくつか仕様変更があり、コントローラ基板に搭載するFPGAの変更、センサICの変更などがあったため、基板の設計にやや時間がかかっているが、全体への影響は少ないと考えている. 研究協力者として、大学院生3名と共同で研究に従事している。これまでの研究を通して、大学院生との協力体制は整っており、それぞれの大学院生が下記の研究・開発を行っている。1.グリップの設計・試作、センサの選定などを行い基本的な性能評価を行っている。2.計測・制御基板の設計を行い、試作・動作確認に向けての準備を行っている。 3.VRシステム構築のためのシステム整備、バイオフィードバックのための制御機構の設計を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
力覚提示装置は人間に対して力を提示するデバイスであるので,その安定性と忠実性の両立は重要な問題の一つである.実世界において人が日常無意識に行っている把持力のバイオフィードバックによる適切な物体操作の能力を利用して,VR世界におけるカップリングパラメータをリアルタイムでアクティブに制御することで,操作の安定性と忠実性の両立を実現することはこれまでに例がなく重要である. VR世界の更新周波数を高い精度で安定に維持することは一般的なPC環境では難しく発振の原因の一つとなる.VR世界,力覚提示装置および操作者をモデル化し,把持力とカップリングインピーダンスの関係をモデルから得られる安定提示可能な条件式から導き,最適なカップリングパラメータをリアルタイムに推定するシステムの構築を行う.これにより,更新周波数の乱れなどにより不安定な状況になったとしても,物体操作における操作者のバイオフィードバックにより力覚提示の安定性と忠実性の両立が可能であることを明らかにする. 把持力から操作者のインピーダンスの推定 これまでに設計した把持力計測グリップとその計測コントローラを用いて把持力の測定を行う予定である.得られた把持力から把持の際の操作者のインピーダンスを推定する.また,VR世界+力覚提示装置+操作者のモデル化を行い.VR世界,力覚提示装置のみならず,操作者の把持の状況に合わせて安定提示可能なカップリングパラメータの推定を行うことを目指す. バイオフィードバックの効果の確認 力覚提示装置に把持力計測グリップを取り付け,バイオフィードバックにより実際にVR世界の物体を操作可能であるか,安定性と忠実性が両立されているかを評価実験をおこない確認する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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