2012 Fiscal Year Research-status Report
形状・触覚特性が動的に変化する新しいタッチスクリーンの開発
Project/Area Number |
24700114
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
佐藤 俊樹 電気通信大学, 情報システム学研究科, 助教 (90619785)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | タッチスクリーン / 触覚ディスプレイ / タンジブル / マルチタッチ |
Research Abstract |
形状・軟らかさの変化するタッチスクリーン開発のための調査・実験を行った。 また実際にプロトタイプシステムの開発を行い、プロトタイプシステム上で実動作するアプリケーションの開発を行い、成果を国内外で発表した。 開発のための調査・実験においては、軟らかさ・形状の可変機構を実現するための軽量粒子素材、またそれらを覆う表面素材、さらに空気により粒子を減圧する減圧装置の検討を行った。 それらの調査を基に開発したプロトタイプは、圧力センサ・減圧装置・マイクロコントローラを用いてディスプレイ装置内圧力を自由に変化させることが可能であり、ディスプレイ表面の硬さを実時間で変化させることが可能になった。開発したディスプレイは大気圧状態では軟らかい布のような触感を有すが、内部の減圧に伴い粘土のような硬い触感になり、-10kPa以上の減圧を行った際は外力に対して強い耐変形性能を有する状態まで変化させることができた。さらに、開発したディスプレイのタッチ検出機能を外部に設置する深度カメラと、新たに開発したタッチ検出システムを用いることで実現した。このプロトタイプシステム上で動作するアプリケーションは次の2種類を開発した。一つはディスプレイの形状を直接手で変形させることで立体的な形状デザインが可能なモデリングツールである。このツールでは、ユーザはディスプレイ上に表示されたスライダ・ボタンを直接触れて操作することで、大まかな形状のモデリング・細部のモデリング等の用途に合わせた自由な硬度変更が可能である。また、ユーザの動きに合わせた硬さの自動制御も可能である。 さらにこれらの成果を国内及び国外の学会・ワークショップ・シンポジウムで発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の研究目的は、動的な硬度・形状変化が可能なディスプレイを開発し、このディスプレイを用いた新しいインタラクションの提案を行うことである。 平成24年度の成果において、実際に硬度・形状変化が可能な実用可能なプロトタイプディスプレイの開発、さらにプロトタイプディスプレイのタッチスクリーン化が実現した。 プロトタイプシステムには装置が大型である、部分的な圧力変化ができない、作成できる形状の高さに制限がある等の今後改善すべき課題があるが、実際にインタラクティブなアプリケーションの開発が行える状態になったと言えるため、本研究は順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は現在のプロトタイプシステムの問題点の改善した新たなプロトタイプの開発と、プロトタイプシステムを利用したアプリケーションの開発を同時進行で行う。 具体的には以下のような課題に取り組む。 現在のプロトタイプシステムはタッチ検出のために、外部に深度カメラを設置する必要があり、装置が大型化する課題があった。今後は外部のカメラを必要としないタッチ検出技術の開発を行う。また、ディスプレイを変形させることで作成可能な立体形状の高さに制限があったため、より大きな形状を作成するディスプレイ機構の開発を行う。 また、ユーザの形状作成作業を支援するデバイスや、自動的に形状を作成する機構等の開発も行う。また、作成した形状をリアルタイムに計測しデータ化する技術や、3Dプリンタ等を利用して即座に形状を出力することを可能にする技術の開発を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究費はプロトタイプシステムの開発に必要な部材、表面素材、粒子素材、減圧装置、タッチ検出のためのカメラ・センサデバイスの購入に使用する。 また、成果発表のための国内・国際会議参加費に使用する。
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