2013 Fiscal Year Research-status Report
形状・触覚特性が動的に変化する新しいタッチスクリーンの開発
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24700114
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
佐藤 俊樹 電気通信大学, 情報システム学研究科, 助教 (90619785)
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Keywords | インタラクティブサーフェス / フレキシブルディスプレイ / タッチスクリーン / Particle Jamming |
Research Abstract |
平成25年度では、平成24年度のプロトタイプシステムを用いたアプリケーションの開発及び圧力制御機構やタッチ検出機構の性能評価実験を行い、これらの成果を論文にまとめた。またプロトタイプシステムの課題であった作成可能な形状の高さに制限がある問題と、ディスプレイ面の部分的な圧力制御が困難である問題に着目し、これらを解決する新しい圧力制御機構を開発するための実験を行った。 以下、それぞれについて具体的に述べる。まずアプリケーション開発については、ディスプレイの内部圧力に対するディスプレイ表面の剛性を測定することで、圧力制御をより直感的に行うことを可能とするボタン・スライダから成るGUIウィジェットを実現した。次に、深度カメラを用いたタッチ検出精度の評価やこれらの知見をまとめた論文はIEEE Computer Graphics and Applicationsに採択された。次に、プロトタイプシステムの問題点であった作成可能な高さに制限がある問題について、ディスプレイ表面の布の表面積とディスプレイ内部のパーティクル量を動的に制御する新しい機構を開発することで問題の解決を行った。この新しい機構により、従来は高さ15cm程度の形状しか作成できなかったが、高さ50cmを超える形状の作成が可能になった。次に、もう一つの問題点として、ディスプレイの圧力を一様にしか変化させることができない制限があった。この問題を解決するために、ディスプレイ内をいくつかの区画に区切り、それぞれの区画の圧力を独立して制御する機構を開発することで、部分的な圧力制御を可能にする実験を行った。加えて、それぞれの区画のパーティクル量を制御することが可能な機構を開発することで、動的に形状が変化するディスプレイ機構のプロトタイプを開発した。これらのプロトタイプ機構は、ACM UIST2013においてポスター発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、硬度(剛性)や形状に動的性を持つ新しいディスプレイを開発し、これを用いた新しいインタラクションを提案することである。 平成25年度の成果においては、作成したプロトタイプシステムをベースとし、必要に応じてディスプレイの状態を変化させることで1台のディスプレイ上で異なる作業を実現可能なシステムの提案、またシステムの性能評価を行い、これらをまとめた論文発表を行うことができた。またプロトタイプシステムをさらに発展させた機構を開発した。以上のことから、本研究は順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は新しいプロトタイプ機構をベースとした新しいディスプレイの開発、およびこれを用いたアプリケーション開発を行う。 また本研究の技術をベースとした実用化に向けた企業との共同研究を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ディスプレイ装置の新規制作する際に、必要な部材・センサ等パーツを旧ディスプレイ装置から一部流用し再利用したため新規に購入する必要が生じなかった。 ディスプレイ装置制作のために必要な部材・センサ等パーツ及び新型の深度カメラを新規購入するために使用する。
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