2013 Fiscal Year Research-status Report
パラメトリックスピーカと音響トラッキングによる立体音響システムに関する研究
Project/Area Number |
24700126
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
中山 雅人 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (90511056)
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Keywords | 立体音響 / パラメトリックスピーカ / オーディオスポット |
Research Abstract |
本研究では,スピーカ配置に自由度があり,かつ受聴者の移動を含む様々な動きに追従できる小規模な立体音響再現システムの実現を目指す. 本研究を効率よく遂行するために,本研究に関する課題を研究課題A(パラメトリックスピーカを利用した受聴者の耳元位置(形状)の検出),研究課題B(パラメトリックスピーカによる音響ビームの制御とパラメトリックスピーカの配置に関する検討),研究課題C(左右の耳元にそれぞれにパラメトリックスピーカでオーディオスポットを形成することによる立体音場再現)の3つの研究課題に分割している. 前年度では主として研究課題Aについて取り組み,様々な研究実績が得られた. 本年度は,主として研究課題B(パラメトリックスピーカによる音響ビームの制御とパラメトリックスピーカの配置の検討)に関する研究を実施した.研究課題Bに対しては,研究計画通り,研究代表者がこれまで研究してきたマイクロホンアレーによるビームフォーミング技術をスピーカアレー技術に応用する研究を遂行することで十分な研究実績が得られた.また,パラメトリックスピーカの配置に関しては,配置がどの程度の自由度で許容されるのかを含めて実環境における綿密な計測実験を通じて明らかにした.さらに,パラメトリックスピーカによる音響ビームの制御とパラメトリックスピーカの配置の検討に関しては,反射型オーディオスポットを利用した音像プラネタリウムにおけるパラメトリックスピーカの配置に関する研究についても行い,パラメトリックスピーカによる音響ビームの制御を実機のパラメトリックスピーカの構造自体を曲面型にすることで実現する曲面型パラメトリックスピーカの試作と実験的な評価も行った.上記の研究にて得られた成果を学術論文としたことに加えて国内会議,国際会議にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究課題A(パラメトリックスピーカを利用した受聴者の耳元位置(形状)の検出),研究課題B(パラメトリックスピーカによる音響ビームの制御とパラメトリックスピーカの配置に関する検討)ともこれまでに十分な研究成果が得られており,さらにそこから派生した様々な研究成果が得られている.そのことから当初の計画以上に進展していると評価できる.研究課題の実現に対する見通しも現時点において得られていることから,最終年度においても当初の研究計画以上の研究実績を達成できる見込みである.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの平成24,25年度の研究によって研究計画で予定していた以上の研究成果が得られた.今後は,主として研究課題C(左右の耳元にそれぞれにパラメトリックスピーカでオーディオスポットを形成することによる立体音場再現)に関する研究を実施する計画である.研究課題Cに対しては,研究代表者が研究している音響測距法(音響レーダ技術)により得られた距離情報とスピーカ配置を考慮することで,トランスオーラル方式では必要不可欠であった逆フィルタを設計しない小規模な立体音場再現システムをパラメトリックスピーカを利用する形に応用することで実現する計画である.また,この最終年度において,これまでの研究課題A,B,Cの研究成果を統合することで,最終的なシステムの構築を行い,そのシステムの実時間化と評価実験を行うことで,研究を完成させる計画である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
おおむね研究費の執行は計画通りに実行できたものの僅かながら残額が生じたためである. 次年度は研究費の執行において次年度使用額も含めた厳密な執行を行う予定である.
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Research Products
(10 results)