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2013 Fiscal Year Research-status Report

大規模区間データの高速解析処理アルゴリズムの研究

Research Project

Project/Area Number 24700130
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

斎藤 寿樹  神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00590390)

Keywordsアルゴリズム / バイオインフォマティクス / ZDD / 区間グラフ / 列挙
Research Abstract

本研究では,大きく2つの列挙アルゴリズムにおける研究成果および1つの理論的な研究成果を挙げることができた.
列挙アルゴリズムに関する研究成果の1つ目は,有向二値完全系統樹の列挙である.従来の列挙アルゴリズムでは,ZDDと呼ばれるデータ構造を用いた手法であった.しかし,従来のZDDを用いた手法では,計算途中でZDDが爆発に巨大化してしまい,計算できない,ということが多々あった.それに対し,近年,ZDDを用いた新な列挙手法がKnuthによって提案された.本研究では,その手法を拡張し,有向二値完全系統樹を列挙する高速なアルゴリズムを開発した.
列挙アルゴリズムに関する研究成果の2つ目は,避難所割当問題に対する高速なアルゴリズムの開発である.避難所割当問題は,震災発生時に誰をどこの避難所に割り当てるか,という問題である.しかし,避難所割当問題は,避難所までの距離や避難所の予想される混雑度など,様々な目的関数を考慮する必要があり,複数の目的関数を考慮したパレート最適な解の抽出が重要となる.本研究では,様々な列挙アルゴリズムを駆使することにより,パレート最適な解のみを列挙するアルゴリズムを開発した.
理論的な成果として,区間二部グラフを中心としたグラフクラスに対する特徴を与えることに成功した.区間二部グラフとは,二部グラフでかつ区間表現を持つグラフである.区間表現は区間の集合で,グラフの各頂点は区間と対応し,異なる部集合に含まれる頂点間に辺がある必要十分条件は対応する2つの区間に重なりがあること,である.こうした区間表現を持つグラフの特徴を与えることで,大規模な区間データを処理する有用なアルゴリズムを考えることができる.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究は,少し方向性を変えながら,着実に実用的な問題に対するアルゴリズムの開発に成功している.
列挙は目的とする対象をすべて出力することで,データマイニングなどで用いられている.また,列挙したすべての対象をZDDと呼ばれるデータ構造に格納することで,最適解の抽出や解の絞り込みといったことを高速に行うことができるため,ZDDとして高速に格納できるか否かが重要な鍵となる.本研究では,有向二値完全系統樹や避難所割当問題に対して,すべての実行可能解をZDDに格納することに成功し,この出力したZDDを用いることにより,すべての実行可能解の中から様々な特徴を抽出することが可能となる.本研究では,列挙アルゴリズムに関する研究成果はアルゴリズムの開発だけでなく,開発したアルゴリズムの実装も行い,従来のアルゴリズムよりも実際に高速であることを,計算機実験により示している.

Strategy for Future Research Activity

現在,開発したアルゴリズムの列挙アルゴリズムの有用性を示す計算機実験は,ランダムデータや小規模な実データを含むいくつかの例題でのみ行っている.規模の大きい例題等でも開発したアルゴリズムの有用性を示す必要があるが,規模の大きい問題に対しては,提案アルゴリズムは動作しない可能性がある.規模の大きい問題に対しても,実用上耐えうる高速に動作するアルゴリズムの開発を目標とする.また,同時に実用面で現在のアルゴリズムが有用か否かを確かめるためにも,現在のアルゴリズムを搭載したソフトウェアの開発への着手等を行う.
一方で,区間データを扱うために,区間グラフに対する理論的な研究成果を与えているものの,区間データに対する処理アルゴリズムを与えることができていない.しかし,この研究成果を十分に活用することで,高速な区間データを処理するための高速なアルゴリズムの開発への期待が持てる.理論的研究から得られた知見を活かし,区間データを処理するためのアルゴリズムの開発も引き続き行う.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

計算サーバの購入に想像以上の費用がかかり,海外出張のための旅費を確保することができなかったため.
積極的に国際会議に参加および発表をすることで,出張旅費として消費する.

  • Research Products

    (6 results)

All 2014 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (5 results)

  • [Journal Article] Complexity of the stamp folding problem2013

    • Author(s)
      Takuya Umesato, Toshiki Saitoh, Ryuhei Uehara, Hiro Ito, and Yoshio Okamoto
    • Journal Title

      Theoretical Computer Science

      Volume: 497 Pages: pp. 13-19

    • DOI

      10.1016/j.tcs.2012.08.006

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 動的計画法を用いた有向二値完全系統樹の効率のよい列挙2014

    • Author(s)
      森戸 一貴, 斎藤 寿樹, 山口 一章, 増田 澄男
    • Organizer
      コンピュテーション研究会
    • Place of Presentation
      小樽商科大学
    • Year and Date
      20140517-20140518
  • [Presentation] 都市における避難所割当ての列挙と評価手法の研究2014

    • Author(s)
      中野 浩太郎,斎藤 寿樹,加藤 直樹,瀧澤 重志
    • Organizer
      情報処理学会全国大会
    • Place of Presentation
      東京電機大学
    • Year and Date
      20140311-20140313
  • [Presentation] 都市における避難所割当ての列挙と評価2014

    • Author(s)
      中野 浩太郎, 斎藤 寿樹, 瀧澤 重志, 加藤 直樹
    • Organizer
      日本オペレーションズリサーチ学会 2014年春季研究発表会
    • Place of Presentation
      大阪大学
    • Year and Date
      20140306-20140307
  • [Presentation] ZDDを用いたExact Cover問題に対するパレート最適な解の列挙2014

    • Author(s)
      松永 涼,斎藤 寿樹,近藤 広樹,中野 浩太郎
    • Organizer
      アルゴリズム研究会
    • Place of Presentation
      中央大学
    • Year and Date
      20140303-20140304
  • [Presentation] あみだくじを数え上げる省領域アルゴリズムについて2014

    • Author(s)
      中嶋 章裕,斎藤 寿樹,山口 一章,増田 澄男
    • Organizer
      組合せゲーム・パズルミニ研究集会
    • Place of Presentation
      北陸先端科学技術大学院大学
    • Year and Date
      20140228-20140228

URL: 

Published: 2015-05-28  

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