2012 Fiscal Year Research-status Report
エンティティ間の意味的関係抽出の分野適応に関する研究
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24700133
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
ボレガラ ダヌシカ 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 講師 (10581712)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 意味的関係 / 関係類似性 / エンティティ / グラフ構造 / 類推 / ウェブマイニング / 自然言語処理 / 構造同値 |
Research Abstract |
該当年度では本研究課題の主な目標である関係の分野適応に大きくつながる成果がありました.既存の研究では2つのエンティティ間の意味的関係に着目しているが,本研究では2つ以上のエンティティの間に成立つ意味的関係に着目し,更にそのような関係(あるいはそれに近い関係)で繋がっている類推構造を発見する手法を開発しました.例えば,コンピュータの分野と政治の分野を考えよう.コンピュータの分野ではSteve Jobs, Tom CookとApple社の間では,創業者,元代表取締役社長,現代表取締役社長という関係が成立つ.一方,アメリカの政治界ではGeorge Bush, Barak Obama, とUSAの間には元大統領,現大統領とその国家という関係が成立つ.会社の代表取締役はその会社を代表として会議に参加されたり,会社を代表として契約を結んだりなどするが,それと同様に大統領はその国を代表として会議に参加したり,平和条約などに同意したりする.従って,これらのエンティティの間には分野は異なっていても類推する構造が発見できる.本研究では,ウェブのテキストから構築した膨大な数のエンティティが存在する2種類のグラフ間でこのような類推関係を発見できる手法を提案し,定量的評価を行った.2つのエンティティの間の意味的関係の類似性のみ計測できる従来の手法を2つ以上のエンティティに拡張し,比較を行った結果,提案手法の方がより良い精度を得ていることが分かった.特に,2つ以上のエンティティ間に存在する意味的関係を使った類推構造発見手法として提案手法は世界初となる.本研究成果は人工知能分野の最高峰国際会議であるInternational Joint Conference on Artificial Intelligence (IJCAI) 2013に採録されており,8月中国の北京で発表する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では,ウェブのテキストから構築した膨大な数のエンティティが存在する2種類のグラフ間でこのような類推関係を発見できる手法を提案し,定量的評価を行った.2つのエンティティの間の意味的関係の類似性のみ計測できる従来の手法を2つ以上のエンティティに拡張し,比較を行った結果,提案手法の方がより良い精度を得ていることが分かった.特に,2つ以上のエンティティ間に存在する意味的関係を使った類推構造発見手法として提案手法は世界初となる.本研究成果は人工知能分野の最高峰国際会議であるInternational Joint Conference on Artificial Intelligence (IJCAI) 2013に採録されており,8月中国の北京で発表する予定である.この結果より,本研究は対外的にも高く評価されていると言えるので当初の計画以上に進展していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
分野間の意味的関係を認識する方法を現在3つのエンティティを対象にしているが,更にこの数が増やせないか現在検討している.特に,数の異なるエンティティからなる構造同士の類似性など研究する予定である.その場合は関係の類似性をどう定義し,評価するかなど検討する必要がある.なお,エンティティそのものが曖昧である場合(例えば同姓同名人物が含まれている場合など)でも正しく類似性が計測できるように提案手法の頑強性をあげるための研究も行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果は既に国際会議に採録されており,その海外発表に伴う旅費,参加費として研究費を使う予定である.尚,本研究成果を論文誌に投稿する準備を現在行なっており,論文誌の投稿代も必要となります.
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