2013 Fiscal Year Annual Research Report
確率的潜在変数モデルを用いた分散学習と統合に関する研究
Project/Area Number |
24700135
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 一誠 東京大学, 情報基盤センター, 助教 (90610155)
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Keywords | 確率的潜在変数モデル / 量子アニーリング / ノンパラメトリックベイズ / Dirichlet Process |
Research Abstract |
確率的潜在変数モデルの学習アルゴリズムは、非線形最適化問題として定式化される。この最適化問題には、局所解が数多く存在し、大域的な解を得ることは計算量的に不可能である。そのため、解の近似的な探索方法が学習器の性能に大きな影響を与える。 本研究では、量子揺らぎを用いた効率的な探索アルゴリズムを提案した。従来の確率的な揺らぎとはことなる揺らぎを導入することで、従来の探索アルゴリズムでは回避できなかった局所解を回避することが期待される。また、このアルゴリズムは並列学習アルゴリズムとして実装することができるため、PCクラスタを用いた並列化の効果を明らかにした。本研究で学習対象とする確率的潜在変数モデルは、ノンパラメトリックベイズモデルと呼ばれる近年盛んに研究されている確率モデルである。ノンパラメトリックベイズモデルを用いることで、データに依存する確率モデルの構造推定が可能になる。 例えば、ネットワークデータにおける潜在コミュニティ抽出に対してノンパラメトリックベイズモデルを用いることで、潜在コミュニティの構造をその数も含めて抽出することができる。実際に、本研究では、論文の引用データや共著者データなどのネットワークデータに対して、提案アルゴリズムを適用し潜在コミュニティ抽出における有効性を確認した。 ノンパラメトリックベイズモデルは、従来の有限混合モデルを内包するモデルであるため、本手法は、従来の有限混合モデルに対しても適用可能なアルゴリズムである。さらに、ノンパラメトリックベイズモデルの中でも、適用範囲は広く(具体的にはDirichlet Processを用いたモデル全般に適用可能)様々な応用が期待できる。
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