2013 Fiscal Year Research-status Report
画像記述子補間に基づいた大規模空間におけるローカリゼーション
Project/Area Number |
24700161
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鳥居 秋彦 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (20585179)
|
Keywords | ビジュアルローカリゼーション / コンピュータビジョン / 画像検索 |
Research Abstract |
本研究の目的は,位置姿勢情報付き画像データベースを用いて,探索範囲内で撮影された画像(カメラ)の3次元位置姿勢推定を行う,“ビジュアルローカリゼーション”の研究を発展・実現することである.数十~数百kmといった広範囲探索を可能としつつ,位置姿勢情報を高速かつ高精度に推定するために,平成25年度は主に以下の研究を遂行した. 本研究では,Google Street Viewなどから得られる位置情報が付随したパノラマ画像をデータベースとして用いる.そのパノラマ画像に対して,位置情報の無い画像をクエリとした検索を行い,最も類似した画像の位置からクエリ画像の撮影位置を推定する問題を扱う.前年度に引き続き,提案したパノラマ画像分割表現に基づいた検索によるローカリゼーションアルゴリズムを実装し,ビジュアルローカリゼーションの標準ベンチマークセットであるPittsburgh データセットを用いての性能評価,比較を行った.メモリ効率の面で非常に優位でありつつ,クエリ画像の画角が広がるに連れて,検索精度の面でもパノラマカットアウト法に比べ,優位であることをまとめた.これにより提案するパノラマ画像分割表現に基づいた位置推定手法を実応用に向けてさらに前進させたことになる. また,本研究を推進するなかで,都市部におけるビジュアルローカリゼーションにおいて,ビルの窓やフェンス等の繰り返しパターンへの対応が大きな問題となることを発見した.ビジュアルローカリゼーションにおける対応策を考案し,アルゴリズムを開発・実装,様々なデータセットでの性能評価,他の最先端手法との比較を行った.本成果は,ビジュアルローカリゼーションにおける最も困難な課題のひとつにたいする,解決方法の先駆けとなる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の核となる,提案したパノラマ画像分割表現に基づいた検索によるローカリゼーションに関しては,すでに学術論文(英語)の形でまとめ2014年4月に採択されている.現在,ビジュアルローカリゼーションによる空間的な位置推定の高精度化について,引き続き検証中である.また,本プロジェクトを進めるなかで,急速に普及しつつあるスマートフォンカメラを利用することで,パノラマ画像自体をクエリ(入力)とすることも十分に現実的であることに着目した.そこで,渋谷広域において,スマートフォンを用いた数百枚の実験用パノラマ撮影を行い,パノラマ画像によるビジュアルローカリゼーションの効果を検証するための,大規模な実験用データセットを用意した.このデータセットを用いた実験結果に関しては,すでに再録された論文誌の一部として含まれている.また,本研究の一部として派生したビジュアルローカリゼーションにおける繰り返しパターンへの対応について, それらの成果をまとめた一部が,本分野において最も競争的な国際会議であるCVPR2013に採録され,発表を行った. 成果を効果的に発信すべく,プロジェクトページを作成,ソースコードの公開を行っている. 昨年度と同様に,研究協力者であるTomas Pajdla, Josef Sivicとは2週に1度程度でビデオ会議を行い,研究に関する議論を重ねると同時に,研究成果の発信に関して協力を仰いでいる.2013年度は,INRIA (パリ,フランス)に1週間滞在し,Josef Sivic他,INRIA研究グループメンバーとの議論,情報交換も行った. 上記により,(2)おおむね順調に進展している,という自己評価とした.
|
Strategy for Future Research Activity |
本事業は,2年間の研究プロジェクトとして開始したが,研究成果の一部が国際的にも広く認められたことを受け,プロジェクトの完成度を高めるべく,1年間の事業延長を行った.今後の推進方策として,平成25年度に引き続き,アルゴリズムの実装・実験を行う.研究成果を学術論文(英語)発表するとともに,実験データ,プログラム等を公開するための準備,公開情報のメンテナンスも同時に進める.すでに,実験評価用データセットを作成しているが,実験結果の信頼性をさらに高めるため,今後も引き続きデータセット撮影の更新を行う予定である.さらに,研究成果をより広く発信するためにデモ発表を行う予定である.引き続き国際会議に参加するとともに,幅広く研究成果を発信する予定である.また,これまでの知見が認められ,本分野において最も競争的な国際会議であるCVPR2014においてのチュートリアル講演が採択されたため,国際会議参加に合わせて講演を行う予定である. 本研究は大規模データ処理を伴うコンピュータビジョンの研究であるため,昨年に引き続き,必要に応じて,実験用機材として,ワークステーションおよび各種数値計算ソフトを整える予定である.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に引き続き,ビジュアルローカリゼーションの研究を推進した所,平成25年度には,研究の成果の一部が非常に競争的な国際会議(CVPR2013,採択率20%程度)に採択され,発表の機会を得た.その成果を発展,関連成果の発表を行い,本事業の完成度を高めるために,本事業の計画を変更,1年間の事業延長とした. 上記の計画変更の理由から,繰越額は成果の追加発表のための経費,実験検証用物品の追加購入費に充てることを予定している.
|