2013 Fiscal Year Annual Research Report
電子透かしにおける視覚的変更可能領域の規定に関する研究
Project/Area Number |
24700175
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岩田 基 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70316008)
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Keywords | 電子透かし / 視覚特性 / データハイディング |
Research Abstract |
本研究の目的は,あらかじめ視覚的変更可能領域を規定することによって電子透かし手法の性能を向上させることである.前年度では「均等色空間上での変更可能範囲をあらかじめ規定可能な電子透かし法」を提案できたものの,計算コストが非常に高いことや,一般に利用されているJPEG形式の画像に適用できないことなどが課題として残っていた.そこで平成25年度は,これらの課題に対応した.まず,計算コストの高さに関しては,前年度にも探索手法の改善によってある程度達成していたが,透かしを埋め込むときに用いる表を適応的に分割することによって,さらなる高速化を果たした.その上で,JPEG形式の画像にも対応できるように改善した手法を,2014年3月のマルチメディア情報ハイディング・エンリッチメント研究会(EMM)にて発表した.この手法は画像を対象としているが,さらに,動画像を対象とした手法も2014年1月の暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS2014)にて発表した.これは,スマートフォンをかざすだけで透かし入り動画像から透かしを抽出できることを特徴とした手法である.この手法は動画像の空間領域を使って透かしを埋め込んでおり,透かしを埋め込んだ痕跡そのものを利用してシーン中の透かし入り動画像領域を検出できるという,画期的な方式であるが,動画像によっては透かしの埋め込みによるちらつきが目立つことがあるという欠点がある.EMMにて発表した方式を,この動画像電子透かし法に適用することによる改善に,現在着手している.このように,研究成果は画像の空間領域を対象とした電子透かし法のみでなく動画像を対象とした手法に対しても適用可能であり,その応用範囲は広い.
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