2012 Fiscal Year Research-status Report
球面調和関数を用いた肝臓統計形状モデル構築と肝硬変診断支援への応用
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24700180
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
健山 智子 立命館大学, 情報理工学部, 助手 (90550153)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 情報交換 / 支援診断 / 肝硬変症 / 形態変化 / 球面調和関数 |
Research Abstract |
本年度では,実際の臨床医用画像とその検査データの収集と同時に球面調和関数による臓器3次元形状モデリングについて行った。これまで症例数は正常9症例,異常を5症例で解析を行なっていたが,症例数をそれぞれ,正常25症例,異常を25症例と増やし,現在研究を行なっている。 はじめに,症例数が増えたことと併せて,一般の統計形状モデル(PDM)による統計形状モデルも同時に構築を行い肝硬変症において,形態変化が最も大きい成分を,正常と異常間で分散の大きい Parameterization方法としては,Marching Cube法から得られた肝臓,脾臓などの臓器に対して,各臓器の表現能力に対する比較を行った。 また,肝硬変症の形態変化はおもにどのような成分が寄与するのか,あるいは形態変化に関与する成分の特定方法を調査するため,はじめに,従来手法の統計形状モデルへ写像したデータを元に,解析を行った解析方法は正常と疾患データ間においての分散が最大となる成分を上位数個選出し,その成分を機械学習により解析を行ったところ,おおまかに正常と疾患に対するクラス分類が可能であることを示した. 本年度はこの成果を踏まえ,我々の提案する球面調和関数に基づいた形状モデリングにより,実際にデータの解析を行い,有用な支援診断を目指す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度は,臨床医用データの収集,ならびにSPHARMを用いて臓器の形状モデル表現を行った。また,構築したモデルが従来法のモデルと比較して,性能はどのように変動しているかについて評価を行なっている。本研究では,臓器の形状モデルを肝臓のみだけでなく,脾臓,腎臓,等の閉曲面の臓器に対しても現在評価を進めている。 本年度は肝硬変症の特徴や成分特定も同時に研究を行なっていた. 肝硬変症は,肝臓の形態変化のみではなく,脾臓の形態変化も有用な診断基準となる. 現在,本研究では両者の形状モデルが,統計形状モデルとその支援診断に与える影響を調査しており,本年度は提案する形状モデリングを用いた統計形状モデルの支援診断開発を目指す.
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Strategy for Future Research Activity |
臨床データ収集及び統計形状モデルの評価を行う.さらに,構築されたモデルに臨床検査データを対応させ,モデル各成分と疾患特徴との関係性を数値解析により解明し,この数値評価に基づいた肝臓疾患診断支援の応用を目指す。 1. 本年度は,主に統計形状モデルの精度向上のためのデータ収集を,前年度から引き続き継続して進める。また,臨床検査データを持つ医用画像データを増やすことで,モデルの性能評価に対する信頼の確立を目指す。 2. これまでの研究成果を実際に臨床現場への応用可能を目指し,VTKなどを用いたインタラクティブな医用画像支援診断システム構築を目指す。構築するシステムでは,本研究で構築した統計形状モデルを組み込み,形状情報をユーザ(臨床医師)が入力することで,臓器がどの程度形態変化しているかを数値的に確認することができる対話的システム構築を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度の研究においての予算は主に,多くのデータを保持,管理,解析を行うため,ハイパフォーマンスコンピュータを購入し,解析の効率化を測った。 本年度は本研究の成果を多く発信することを計画している。 それに乗じる旅費,ならびに成果の論文投稿に伴う予算計上を計画している。 また、未使用額6,597円が派生した理由について、12年度の経費執行はほぼ計画通りであったが、より効率的に物品購入を行った結果、端数が未使用金として生じた。来年度はこの端数も含め,臨床医師による支援診断の検証と打合せの交通費,また医師以外のユーザに対する評価アンケート開催などに使用する予定である
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Research Products
(20 results)