2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24700184
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
小林 匠 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (30443188)
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Keywords | パターン識別 / 特徴行列 / 部分マッチング |
Research Abstract |
平成25年度は行列として表現される特徴パターンのマッチングに関する研究を行った。実世界から計測したデータ(特徴量)は、多くの場合に行列形式での表現が自然となる。例えば、静止画像はXY座標に基づく2次元データであり、多チャンネル時系列信号からは時間軸Tに沿って並ぶ信号列(チャンネルvs時間)が得られ、これらは一般に特徴次元vs物理次元の形式の行列として表現される。これらの特徴行列間でマッチング(似ている・似ていない)を行うためには、特徴行列間で類似度を算出する必要がある。類似度を用いたマッチングにより、k-NN法に代表される事例ベースの特徴行列識別器を構成することができる。特にここでは、物理次元上での位置ずれに依らない“部分”パターンマッチングを可能とする類似度算出法を開発した。上述の特徴行列内では、注目すべき対象パターンの出現位置は任意であり、さらに対象に関係のない背景パターン等も多分に含まれている。部分マッチングは、そのような背景パターンを除外しつつ位置が不定な対象パターンを抽出しマッチングを行う。この部分マッチングを実現するために、ここでは特徴行列の物理次元に対応する重み(ベクトル)を導入した。この重みベクトルを掛け合わせることで特徴行列は特徴ベクトルへと圧縮され、圧縮された特徴ベクトル間の角度を類似度として採用できる。この重みは物理次元上での対象パターンの存在を表現しており、理想的には対象が存在する領域のみで重みの値は大きくなり、無関係な背景パターンでは重みがゼロになる。これにより部分マッチングをこの重みの最適化問題へと帰着させることができた。さらに、重みの局在性や滑らかさといった物理的正則化を最適化問題に導入し、より有意な重みを算出することができる手法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた通り、本年度で特徴行列間の類似度に関して有効な方法を研究開発することができた。行列は単純なテンソル形式であるため(2階テンソル)、提案方法を拡張することで最終目的であるテンソルに対するパターン識別を実現することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでは単純のため、行列=2階テンソル扱っていたが、より高階テンソルへと拡張することで、一般のテンソルに対するパターン識別方法を確立する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度にて高額なメモリや高性能PCを購入するため。 大規模データを扱うためのメモリや高性能PCを購入する予定である。
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