2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24700194
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
辻 徳生 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 助教 (30403588)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 把持計画 / 生活支援ロボット / ロボットハンド |
Research Abstract |
本研究では,同じ分類に属する類似形状に対してロボットハンドの共通の把持姿勢を適用する手法を提案し,触れて欲しくない領域などの制約を考慮して同一分類に属する多数の物体を自動的に把持できることを示す. 類似した複数の形状に共通の把持姿勢を適用するためには,それらの形状の表面間の対応関係を求める必要がある.そこで,対象物を取手や容器といった要素に分解し,それらの要素間の対応関係を求める手法を構築した.まず,ポリゴン集合の合併手続きの繰り返しにより対象物を複数のポリゴン集合で表現する.ここで,ポリゴン集合の個数を適切に選択すると取手や容器といった要素へ分解できる.また,互いの二次曲面の類似度を評価し要素間の対応付けを行う.それぞれの要素を近似した二次曲面により互いの要素の近似誤差を評価し,誤差が小さい要素のペアを対応付ける.これらの手法の確立したことにより,同一分類に属する多数の物体の表面同士の対応関係を得ることが可能になった.さらに,コップに対して共通の把持姿勢を適用できることを確認した.これらの研究成果により同一分類に属する多数の対象物の共通の把持姿勢を計算するための準備が整ったといえる. また日常生活の対象物をより安定して把持するために,その凹面を把持する手法を提案した.ペットボトルや徳利などの日常生活用品からくびれを検出しそのくびれ位置に指をおくことにより安定した把持が可能になる.さらに,凹面を含む一般的な曲面間の安定性評価指標を提案した.これらの提案手法を検証するためのハンドシステムの開発を行なっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,ロボットにより,同一の分類に属する物体に対し,普遍性のある持ち方で対象物を把持できる手法を提案し,実機実験によりその有効性を明らかにする.本年度の目標である把持のための物体の形状解析と同一分類の物体間のマッチングを達成した.具体的には,物体の形状解析として,複数の二次曲面による対象物の近似を実現した.また,物体間の二次曲面の類似度に基づくマッチングを実現した.これらの成果により本年度の目標は達成された. さらに対象物とハンドを限定し,把持姿勢の生成と変換ができることを確認した.二次曲面で近似された領域に対するグリッパの把持パターンの生成法を開発した.凹面を含む任意曲面とグリッパの把持安定性の評価法を開発した.コップを把持対象として,把持パターンを物体間で対応付ける手法を開発した.この際の問題点として,サイズが大きく異なる対象物では,変換した把持パターンが適用できない場合があることが確認できた.次年度は,この変換を任意の物体とハンドに拡張し動作を確認する.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画にそって以下の内容を実現する. (1)二次曲面で近似された領域に対する多指ハンドの把持パターンの生成法を開発する.把持パターンは,接触点位置と手首姿勢・アプローチ方向などから構成される.また,把持パターンを物体間で対応付ける手法を開発する.さらに,把持安定性を評価して有効性を確認する. (2)把持接触点などの対応関係を記述しやすいテンプレート形状の生成手法を開発する.さらに,同じ分類に属する対象物でも,サイズが大きく異なったり,形状が複雑で二次曲面の近似誤差が大きい場合など,変換した把持パターンが適用できない場合があるため,同じ分類に属していても,形状やサイズによってさらに細かく分類してテンプレート形状を生成する. (3)皿,湯のみ,取っ手付きコップ,急須,スプーン,フォーク,ペットボトルを精密に計測した形状データの作成を外注する.テンプレート形状を考慮して対象物を選定する. (4)実際のロボットを用いて把持実験を行い有効性を確認する.視覚により対象物の位置を計測し,提案手法による把持パターンを適用して対象物を把持する.形状の異なる多数の対象物を把持できることを確認する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は海外での出張がなく海外出張として計上していた旅費を使用しなかった.また,把持パターンの変換の有効性を実証するためにはテンプレート形状を考慮する必要があるが,本年度はこの検討が十分に行えなかったことから,対象物の精密な形状計測の外注を行わなかった. 来年度旅費として,国際会議の3件の発表で使用する予定である.すでに1件採択され,また1件投稿中である.さらに,国内の会議で4件以上の発表を予定している.また次年度は,把持実験のシステム構築を行う.備品として,画像処理用計算機を購入する.さらに消耗品としてビジョンシステムを購入する,さらに,ロボットのハンドの改修を行うために,ハンドの部品を購入する.昨年度計上していた対象物の精密な形状計測を本年度外注する.また成果公表として国内の論文誌に1件,海外の論文誌に1件の発表を行う.
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[Presentation] The Intelligent Room for Elderly Care2013
Author(s)
Oscar Martinez Mozos, Tokuo Tsuji, Hyunuk Chae, Shunya Kuwahata, Tsutomu Hasegawa, Ken'ichi Morooka, Ryo Kurazume
Organizer
The 5th International Work-conference on the Interplay between Natural and Artificial Computation
Place of Presentation
Mallorca, Spain
Year and Date
20130611-20130612
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