2014 Fiscal Year Annual Research Report
探索行動の自律的獲得が可能なロボットの能動知覚システムの構築
Project/Area Number |
24700196
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
郷古 学 東北学院大学, 工学部, 准教授 (30447560)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 能動知覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
生物は常に,外界に対して自ら能動的に働きかけることにより情報を獲得している.このような知覚のメカニズムは能動知覚(アクティブパーセプション)と呼ばれており,生物が有する環境適応機能の基礎となると考えられている.近年,能動知覚により物体の識別を行うロボットの研究が盛んに行われている.実環境下に存在する様々な物体をタスク達成に利用可能な道具が使用できるロボットの実現には,このような物体の識別機能は不可欠である. 能動知覚による識別では,ロボットは識別対象となる物体に対して能動的に働きかけを行い,物体の特徴を抽出し,識別する.特徴抽出におけるロボットの能動的な動きは「探索行動」と呼ばれる. 探索行動は識別対象との相互作用により,対象の特徴を顕在化させる(抽出する)重要な役割を担っている.しかし,従来研究の多くは,物体に対して「どのような探索行動を行うか?」という知識を,設計者がロボットに事前知識として与えている.このようなアプローチでは,一般に,「行動設計の負荷が大きくなる」,「未知物体への対応が困難」という問題が生じる.そこで本申請課題では「探索行動の自律的獲得が可能なロボットの能動知覚システムの構築」を行った. 提案する能動知覚システムは学習型の制御器と特徴空間から構成されており,学習により自律的に有効な探索行動の獲得が可能である. 最終年度には,ヒューマノイドロボットNAOを用いて,実環境下での学習実験を行った.実験において,ロボットは自身の右手で把持した物体を動かし(探索行動),最もその物体の形状的な特徴が現れる向き(腕の姿勢)をオンラインで学習する.実験の結果,約一時間程度の学習で,形状の異なる3つの積み木を分類する上で,有効な腕の姿勢を学習可能であることを確認した.
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