2013 Fiscal Year Research-status Report
プライバシーを侵害しない人物状態検知センサシステムの開発
Project/Area Number |
24700198
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中島 翔太 山口大学, 理工学研究科, 講師 (20580963)
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Keywords | 人物状態検知 / プライバシー保護 / Obrid-Sensor / 輝度分布センサ |
Research Abstract |
家庭内において,高齢者の生命に関わる重大な事故が発生する場所として,最も多く挙げられるのがトイレや浴室である。しかし,そのような場所ではプライバシーの観点からカメラを設置することができない。 そこで本研究では,ロッドレンズとラインセンサを用いたプライバシーを侵害しない人物状態検知センサを開発し,人物の位置及び状態を監視可能なセンサシステムを提案している。これまでの研究において,1次元輝度分布のデータから,監視対象と背景の差分を計算し,そのピークや重心の位置を求めることで,人物の移動や転倒・直立状態を検出できることが確認できている。しかし,このセンサシステムに関する知識がない場合,輝度分布から人物の状態を把握するのは難しい。そこで,平成24年度までに,人物状態を直感的に把握するための監視システムの開発を行った。具体的な手法としては,輝度分布センサを複数個組み合わせて得られる1次元輝度分布から画像を再構成し,監視者が人物状態の再構成画像をモニタで目視できるようなシステムの開発を行った。 従来の輝度分布センサは,光を集光する役割をするロッドレンズや受光センサの種類を経験則で決めている。そのため,部屋の形状や明るさの変化などの検知センサの使用環境が異なると検知することができない場合があった。そこで今年度は,平成24年度までに求めた,最適な輝度分布センサの個数や取り付け角度を基にして,センサ感度や精度の向上を図るためのレンズ及び受光センサ選定を行った。これらの結果を基に開発したセンサシステムを用いて,障害者用トイレにおける人物の移動状態,便器の使用,異常状態の検知を行うフィールド試験を行い,トイレの使用状態を自動判別可能であることが確認できた。また,外乱光や検知対象の人物の違いによる影響を減らすために,輝度分布正規化法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度の研究目標として,多様な環境においてフィールド試験を実施する予定であったが,特定の環境下において輝度の感度が異なることや,外乱光による影響が確認された。また,人物の身長や体型,服装によっては,状態判別のしきい値を個別に設定する必要があった。そこで,輝度分布のゲイン補正やしきい値の自動調整を可能とする輝度分布の正規化法を開発した。 平成26年度では,平成25年度に開発を行った輝度分布の正規化法を用いて,多様な環境に適応可能な輝度分布センサシステムを開発し,フィールド試験を実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までの輝度分布センサシステムは,使用する環境毎に輝度分布の感度や外乱光の影響を減らすための操作が必要であった。また,人物の身長や体型によっては危険と判定するパラメータの一つであるしきい値を,手動で設定する必要があった。 そこで今年度では,平成25年度に検討している開発した輝度分布正規化法を用いて,多様な環境における人物状態の検知を,複数の人物で実験する。また,前年度に行う予定であった,抽出対象の特徴量が含まれる輝度分布の差分を取得する際の時間や条件を指定し,環境の変化に頑健な輝度分布補正のアルゴリズムを開発する。 これらの成果を元に,公園や学校,独居高齢者を模倣した部屋等において実験を行い,実用化に耐えうるような輝度分布センサシステムの開発を行う予定である。なお,実験を行う際は,個人情報を取得するようなプライバシーを侵害することはないが,不快な思いをさせないためにも次の策を講じる。①公共の場において検知センサの評価試験を行う場合は,所属団体に許可を得た上で実験を行う。また,トイレや浴室における実験では所有者に許可を得た上,周知徹底を行う。②人物の位置及び状態計測の対象となる被験者には本研究の趣旨を十分に伝え,了承を得た上で実験を行う。(インフォームドコンセントの徹底) これらの実験結果に基づいて,得られた結果を取りまとめ,成果の発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度では,平成24年度に行った光学部品の選定及び最適なセンサ設計を元に,輝度分布センサを開発し,多様な環境においてフィールド試験を実施し,国内外の学会やシンポジウムで発表する予定だった。しかし,特定の環境下では,検出方向により輝度の感度が異なることや,外乱光による影響が確認され,計画を変更し輝度分布の正規化手法を検討することにしたため,未使用額が生じた。 次年度は,平成25年度に開発した正規化法を用いて,多様な環境に適応可能な輝度分布センサシステムを開発し,フィールド試験を実施する。また,研究成果は,シンポジウムや国内外の学会において発表することとし,未使用額はそれらの経費に充てることとしたい。
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[Presentation] Proposal of System to Prevent Midnight Prowl2013
Author(s)
Yuhki Takahashi, Shota Nakashima, and Yuhki Kitazono
Organizer
Proceedings of The 1st IEEE/IIAE International Conference on Intelligent Systems and Image Processing 2013
Place of Presentation
Kyushu Institute of Technology, Kitakyushu, Japan
Year and Date
20130926-20130927
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[Presentation] Home Appliances Monitoring System using a Hall Element2013
Author(s)
Hiromasa Tomimoto, Kazuo Haruyama, Yoshikazu Hitaka, and Shota Nakashima
Organizer
Proceedings of The 1st IEEE/IIAE International Conference on Intelligent Systems and Image Processing 2013
Place of Presentation
Kyushu Institute of Technology, Kitakyushu, Japan
Year and Date
20130926-20130927
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[Presentation] Proposal of Flexible Touch Panel Sensor2013
Author(s)
Kohei Miyata, Shiyuan Yang, Seiichi Serikawa, and Shota Nakashima
Organizer
14th IEEE/ACIS International Conference on Software Engineering, Artificial Intelligence, Networking and Parallel/Distributed Computing
Place of Presentation
Honolulu, Hawaii, U.S.A.
Year and Date
20130701-20130703
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