2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24700205
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
豊田 希 横浜国立大学, 工学研究院, 研究教員 (60547222)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ロボット / ハプティック / 人間計測 / 物体知覚 / ラバーハンド錯覚 |
Research Abstract |
<図形教示実験>3自由度のハプティックインタフェースを用いて,直線教示描画実験を行い,教示条件(能動的または受動的)及び描画条件(開眼または閉眼)によって,評価指標である描画長さに有意差を生じるという実験結果が得られた.直線運動を記憶する際,上肢運動に視覚情報が強く干渉していることが明らかになり,別のハプティックインタフェースでの実験やハプティックインタフェースを用いない実験との比較も行い,確固たる人間の長さ知覚における特性が得られた. <装置の新規作製>機械を人間として認識できるかを明らかにするために,ハプティックインタフェースを用いてラバーハンド錯覚が起こるのかという課題に取り組んだ.人間の手の関節の可動状態を考慮した1自由度の装置2台を新規に作製した.被験者に装置の手を装着してもらった状態でラバーハンドをたたいてもらい,その動きと同様に同型の別装置が動き,別装置の先端に取り付けられた指の模型が被験者の反対の手をタッチするという実験である.装置や実験条件に改良を加えることで,ようやくラバーハンド錯覚が生じる装置が完成した.左右の手の距離,上下位置および時間遅れが錯覚の発生にどのように寄与するのかを,アンケートや実験中の被験者からの信号によって,傾向を調査している.過去の研究との比較も行い,実験条件による結果の違いに関しても検証しているところである. <両手での物体認識>通常は2台の装置を別々の人が操作し,力感覚を伝え合うことを目的として使われるハプティックインタフェースであるが,今回,一人の被験者が左右それぞれの手で一台ずつ装置を操作して,仮想空間内の物体を把持する知覚実験を行った.弾性係数による違いや大きさ,方向(内側または外側)などの実験条件がどのように結果に影響するのかを確かめ,今後のハプティック技術の普及の際に人間の知覚特性との不一致を低減させる方法を模索している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初初年度に計画していた課題は8割終わり,翌年度の計画課題の一部も行っている状況である.初年度の計画の未達成の2割に関しては,現在はハプティックインタフェースを用いて,単独の人間の特性を調査することを注力しているために,人間同士でのコミュニケーションに手が及んでいない事が原因として挙げられる.2年目には方向転換し,コミュニケーション特性に注力したい.
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Strategy for Future Research Activity |
前述のとおり,初年度はハプティックインターフェースを用いて人間の特性を明らかにすることを目的として研究を進めてきた.これは『心伝えるロボットの実現』には個々の人間の特性を知ることが重要であり,満足の結果が得られたので,今年度は遠隔地の人同士のコミュニケーションに注力し,以下のことを行っていく. <スキンシップ実験>被験者の肩をたたいたり,背中をなでたりといった単純なタスクにおいて,人間は機械を人間の分身として認識できるのか実験を行う.その際、映像や音声を併用することで,認識度がどのように変わるかを調査したい. <通信遅れの影響調査>遠隔地間での通信遅れがどのように影響するかを調査するために,意図的に遅れを持たせたプログラムを利用し,人間の許容度を明らかにする.前述のスキンシップ実験と同条件とするので,映像や音声などによる人間の許容度の変化もわかり,コミュニケーションにおける各種情報の寄与度も確認できると期待している. 本実験は,これまで直線教示描画実験で用いてきた3自由度パラレルリンク機構のハプティックインタフェースを用いルことができ,設置位置の調整とアタッチメントの作製により,すぐに実験ができる.また,本テーマは学生と連携して行うことになっており,データ取りやプログラミング作業などを役割分担して進めていこうと思っている. 研究計画に関して以下のように修正したい. 平成24年度計画していたダイレクトドライブ式での多自由度のハプティックインタフェースの新規作製は,全く同様の装置が某企業から発売され,新規性が失われたので作製は取りやめにして,手元にある装置で実験を進めていきたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(11 results)