2013 Fiscal Year Research-status Report
自己再構成非同期順序回路に基づく脳現象再現用VLSIとその神経補綴への応用の基礎
Project/Area Number |
24700225
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
鳥飼 弘幸 京都産業大学, コンピュータ理工学部, 教授 (20318603)
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Keywords | VLIS / 非線形力学系 / 神経細胞モデル / 神経補綴 |
Research Abstract |
本研究課題ではVLSIによる神経補綴の実用化のための基礎固めとして取り組むべき課題として、以下のテーマを掲げた.テーマ1:非同期順序回路を用いた小面積・低消費電力な神経細胞モデルの提案.テーマ2:動的再構成可能FPGA技術を用いた提案神経細胞モデルのオンチップ学習法(=自己再構成法)の提案.テーマ3:提案神経細胞モデルのネットワークを用いた神経補綴専用VLSIの設計手法の構築と,従来の神経補綴手法との比較による提案手法の優位性の検証. 今年度は,主にテーマ3の中の「提案神経細胞モデルのネットワーク」の構築に取り組み,基礎的な成果を得た.例えば,ある神経集団(便宜上教師と呼ぶ)への様々なマルチチャンネル神経スパイク列入力とそれらに対応するマルチチャンネル神経スパイク列出力との複雑な非線形関係(便宜上教師データと呼ぶ)を近似するためのVLSI神経細胞モデルネットワークとその学習アルゴリズムを開発し,VLSI内でのオンチップ学習によって教師が提示する非線形教師データを自動的に近似できることを計算機実験と実機実験の両方で確認した.また,神経細胞のより精緻なモデルとして,提案神経細胞モデルの膜ダイナミクスに基づいたマルチコンパートメント神経細胞モデルを提案した.そして,同マルチコンパートメントモデルが膜電位の順方向伝播とその減衰・阻害や逆方向伝播とその減衰・阻害などの樹状突起上の典型的な現象を再現できることを数値実験と実機実験にて確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題として取り組むべき課題として掲げたテーマ1~3のうち,前年度までにテーマ1とテーマ2に関して基礎的な成果を得ている.これに対して今年度はテーマ3の基礎となる「未知の神経集団のマルチチャンネル入出力データを自動的にVLSI内に再現するための神経細胞モデルネットワークとその学習アルゴリズム」や「樹状突起上の典型的な膜電位の伝播特性を再現できるマルチコンパートメント神経細胞モデルの提案」などの成果を得た.よって,「研究の目的」を概ね順調に達成しつつある.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題として取り組むべき課題として掲げたテーマ3に関して,特に「神経補綴専用VLSIの設計手法の構築と従来の神経補綴手法との比較による提案手法の優位性の検証」に取り組む.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初購入を予定していた実験器具が着任先に備わっていたため,購入の必要がなくなったため.また,研究実施のために購入した測定器が当初の予定よりも安価に購入できたため. 研究成果の公表に関わる費用に用いる.また追加実験の物品費に用いる.
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Research Products
(2 results)