2014 Fiscal Year Annual Research Report
自己再構成非同期順序回路に基づく脳現象再現用VLSIとその神経補綴への応用の基礎
Project/Area Number |
24700225
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
鳥飼 弘幸 京都産業大学, コンピュータ理工学部, 教授 (20318603)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 非同期順序回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,主に以下の成果を得た. ■非同期順序回路を用いた神経細胞の細胞体の膜電位の非線形ダイナミクスの再現手法を,分岐理論などの非線形力学系理論に基づいて提案した.また,与えられたパラメータ値に対する非同期順序回路の振る舞いの解析法(いわゆる順問題の解法)を構築した.さらに,提案膜電位モデルをFPGA(Field Programmable Gate Array)に実装し,提案モデルが既存の膜電位モデルと比較して低ハードウェアコストで実装可能であることを示した.実機実験による提案膜電位モデルの動作の確認も行った. ■上記の非同期順序回路神経膜電位モデルに対する学習法(いわゆる逆問題の解法)を構築し,同膜電位モデルが電気生理学実験から得られる神経膜電位の非線形応答特性を自動的に獲得できることを示した.また同モデルと学習法の両方をFPGAに実装して,実機実験にてその動作を確認した. ■非同期順序回路を用いた樹状突起のマルチコンパートメント神経細胞モデルを構築し,電気生理学実験結果や標準的なマルチコンパートメント神経細胞モデルとの比較を通して,提案モデルの妥当性を確認した.また同マルチコンパートメント神経細胞モデルをFPGAに実装して,活動電位の順方向伝播や逆方向伝播などの現象の発生を実機実験にて確認した. ■非同期順序回路を用いた内耳螺旋神経節細胞のモデルを提案し,内耳に関する電気生理学実験データとの比較を通してその妥当性を確認した.また同螺旋神経節細胞モデルをFPGAに実装して,実機実験にてその動作を確認した.
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