2012 Fiscal Year Research-status Report
多元数表現に基づくニューラルネットワークによる幾何学的情報処理機構の研究
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24700227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
礒川 悌次郎 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70336832)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ニューラルネットワーク / 複素ニューラルネットワーク / 四元数 / 連想記憶 / 局所解析性 / 活性化関数 |
Research Abstract |
平成24年度においては,まず四元数ニューラルネットワーク(QNN)におけるニューロンの活性化関数について検討を行った.四元数における局所解析性を導入した活性化関数を提案し,その関数を用いた場合における相互結合型QNNの安定条件を導出した.局所解析性を導入することにより,複素関数と同形の四元数関数を定義することが可能となり,これまでに複素NNにおいて解析・応用されてきた様々な複素関数をQNNにおける活性化関数として利用することが可能となった.さらに,この活性化関数を持つニューロンを用いて階層型のQNNを構成し,このネットワークに対する学習アルゴリズムを提案した.相互結合型QNNについての解析は国際会議WCCIにて発表し,階層型QNNについての解析は論文誌Informationに掲載されている. また,QNNおよび複素NNに基づく連想記憶について既に局所逐次学習と呼ばれるパターン記銘方法を提案しているが,現実の画像パターンなどを記銘させる実験については未検証であった.平成24年度においては,複素NNに限定されるが,連想記憶システムを構成し,グレイスケール画像パターンなどを記銘させる実験を行った.その結果として,局所逐次学習によるパターン記銘は計算量が非常に低く抑えることができるが,パターンの提示順序・方法が記銘パターンの安定性に大きく影響することが判明した.この結果は国際会議SCIS&ISISにおいて発表している. 加えて,QNNの実応用の前段階として,無線センサネットワーク(WSN)におけるセンサノード位置推定ならびにミツバチ集団行動画像における個体行動解析に関する研究も実施している.位置推定については論文誌ISRN Sensor Networksに掲載され,個体行動解析については国際会議SICE Annual Conferenceにて発表している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
四元数ニューラルネットワークにおけるネットワーク動作の安定性,学習アルゴリズムの安定性について示すことができた.また,連想記憶システムについては複素ニューラルネットワーク上ではあるが画像パターンを用いた実験を行い,その性能解析・問題点の明確化を実施できている.工学応用に関しては,QNN応用の前段階となる実験を実施できている.これらの理由より,研究は概ね順調に展開できていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
局所解析性を持つ活性化関数を用いた相互結合型,階層型のQNNについては,実際の3次元情報(画像パターン)などを用いた解析を行う必要がある.現在のところ階層型QNNについて主に従来のQNNとの比較を行う準備を行っている.また,連想記憶システムにおける局所逐次学習の性能解析については,QNNにおいて行う必要がある.現在,比較を行うための従来のパターン記銘手法について実装を行っている段階である. 無線センサネットワークや動画像からの行動解析などの工学応用については,上述のQNNにおける性能解析が十分に行えた後に展開する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
相互結合型QNNのパターン記銘能力の検証ならびに階層型QNNの性能解析を円滑に行うために,ワークステーションならびに数値解析ソフトウェアの導入を検討している.これらを実際に導入するかどうかについては,研究の進展状況から判断して決定する予定である.その他として,研究成果を公表するために,ニューラルネットワークに関する国際会議(IJCNN2013)ならびに人工知能の応用に関する国際会議(TAAI2013)において発表を行う予定である.
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Research Products
(7 results)