2014 Fiscal Year Research-status Report
組織内文書の管理とアーカイブズの保存の連携に向けた基礎的研究
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24700249
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂口 貴弘 京都大学, 大学文書館, 助教 (80462175)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アーカイブズ / 文書管理 / 国立公文書館 / アメリカ合衆国 |
Outline of Annual Research Achievements |
米国の公文書管理制度は、19世紀末以降、行政運営の効率化と歴史的資料の保存・公開という、一見すれば全く相反する要求を調整し両立させるシステムとして段階的に整備された。このたび日本で施行された公文書管理法はこのような米国の制度を最大のモデルとして構想されたが、レコードスケジュール、レコードセンターなど文書管理とアーカイブズの連携を促す各種技法を真に機能させるには、その基本的性格と応用可能性をめぐる研究の深化が不可欠である。本研究では、米国における公文書管理手法の成立・普及過程を一次資料に基づき実証的に分析し、その日本における受容の経緯について検討する。 本年度は、20世紀前半の米国における文書管理及びアーカイブズの歴史的展開に関する一次資料を入手すべく、以下の資料所蔵機関を訪問調査した。 ウィスコンシン州立大学文書館(ウィスコンシン州ミルウォーキー)/シカゴ歴史博物館(イリノイ州シカゴ)/イリノイ州立大学アーバナ・シャンペーン校図書館(イリノイ州アーバナ)/ウィスコンシン州歴史協会(ウィスコンシン州マディソン)/ウィスコンシン州立大学マディソン校図書館(ウィスコンシン州マディソン)/アメリカ歴史博物館図書室(ワシントンDC)/ジョージ・C・マーシャル財団図書館(バージニア州レキシントン)/国立公文書館新館(メリーランド州カレッジパーク)/米国議会図書館(ワシントンDC) これらの調査で収集した資料等に基づき、論文4本を発表し、口頭発表4件を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の第3年目にあたる今年度は、米国の計9機関で調査を実施し、当初の計画を大幅に上回る調査実績を挙げることができた。これらの訪問対象機関については、これまでの研究の過程で、本研究に関連する文書群を所蔵していることが判明した機関を一部追加している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、引き続き資料の入手・追加調査を進めるとともに、研究成果のうち未発表の部分について学会等での発表を行っていきたい。
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Causes of Carryover |
今年度の資料調査の成果を、学会等において発表する予定であったが、現地での調査の結果、当該機関では想定していた資料が十分に入手できないことが判明した。そのため研究成果発表の計画を変更し、資料の購入及び他機関での追加調査を実施する必要が生じたため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
このため、資料の入手・追加調査、及び研究成果の一部に関する発表を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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