2013 Fiscal Year Annual Research Report
広汎性発達障害児童における認知制御機能の実験調査研究
Project/Area Number |
24700256
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
坪見 博之 富山大学, 人文学部, 准教授 (70447986)
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Keywords | ワーキングメモリ / 認知制御 / アスペルガー症候群 |
Research Abstract |
本研究は、広汎性発達障害の一症候群であるアスペルガー症候群児童の認知制御機能について検討した。特に、一時的に情報を記憶し操作するワーキングメモリ機能に特異的に障害を受けている可能性を、実験調査的に検討することを目的とした。 本年度は、昨年度に引き続いて、ワーキングメモリにおける認知制御を定量化することを目的とし、アスペルガー症候群児童に実験調査を進めた。昨年度のデータとまとめて検討した結果、単純な保持では、定型発達児よりもアスペルガー症候群児童はワーキングメモリ容量が高いことが示される一方で、記憶中に妨害刺激が提示されると定型発達児よりもむしろワーキングメモリ容量が低くなることが示された。この結果は、アスペルガー症候群児童が認知制御に特異的に障害を受けているというこれまでの結果をさらに強化すると考えられる。 これらの結果を、日本心理学会と米国で開催されたAnnual Meeting on Object Perception, Attention, and Memoryでポスター発表を行い、同領域の研究者と意見交換した。また、児童への調査実験に先立って行った成人の認知制御機能を評価する実験において、ワーキングメモリの消去過程に関して新たな知見を得たため、Journal of Neuroscience誌に論文発表するとともに、米国で開かれたVision Science Society Annual meetingとAnnual Meeting of the Psychonomic Societyでポスター発表した。
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