2014 Fiscal Year Annual Research Report
人工触感生成実験とコーパス分析によるオノマトペを介した質感共有の研究
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24700257
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
宇野 良子 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40396833)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | オノマトペ / 人工触感生成装置 / ウェブコーパス / 質感認知 / エージェンシー / 国際研究者交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、人工触感生成装置を使った実験と、大型ウェブコーパスの分析を通して、言葉を介した質感認知の共有の仕組と効果を明らかにする理論構築を目指している。特に質感認知にどのように自己と他者の認知が関わるのかに注目している。 今年度は、人工触感生成装置の実験については、初年度に開発したiOSアプリケーション(Evono.auto)を用いた実験を昨年度に引き続き行った。昨年度は、アプリケーションによって表示されるテクスチャーに被験者がどのようにオノマトペで名づけをするのかを観察した。今年度は被験者がアプリケーションの画面に直接触れる場合に加え、その静止画と動画を見た場合も実験し、名づけの仕方を対比した。この成果は日本認知科学会(9月)とArtificial Life and Communication Workshop at Hokkaido(3月)で発表した。現在投稿論文にまとめるため準備中である。 次に、ウェブコーパスの分析に関しては、オノマトペの動詞化についての分析をすすめた。この分析の結果を補足するため、アンケート調査も行った。研究結果をまとめ、国際認知言語学会(2015年7月開催予定)に応募したところ、採択された。 最後に、質感認知と言語に関する理論構築については、Evono.autoを用いた実験を踏まえ、質感探索が言語の創発にどのように関わるのかについての理論をまとめた。その成果は、東京言語コロキアム(8月)や東京大学言語学系発表会(12月)で発表した他、『計測と制御』の特集号に論文が掲載された。
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