2014 Fiscal Year Annual Research Report
視線コミュニケーションの計測とロボット製作による意図共有メカニズムの解明
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24700258
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
金野 武司 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 特任助教 (50537058)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 認知科学 / 人工知能 / 知能ロボティクス / 共同注意 / 意図的主体性 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度までに実施してきた人とロボットのインタラクション実験の結果について,より詳細な分析と,その結果の持つ意味についての考察を行ない,これをカナダケベックシティで開催された国際会議CogSci2014にて報告した.人が自らの注視対象をロボットに視線だけで伝える場合,ロボットがどの対象に注意を向けているかを視線以外の手段(モニターに表示するなど)で都度人に伝えると,たとえ同じ対象を見ている割合が高くなったとしても,ロボットに対する理解度や意図性に対する印象評価は低下し,さらにはロボットに対する親和性のような評価も低下することがわかった.しかし,人が注視対象への好みをロボットに提示するという手続きを挿入すると,そういった印象低下が起こりにくくなることが確認された.この結果は,人の非言語コミュニケーションにおける意図共有のメカニズムについて,情報提示の方法と情動要因の関係に関する知見を提供するものであると考えられる.また,この知見に関する最初の報告を行なったHRI2013での発表論文(平成25年度成果)は,平成26年に開催されたHRI2014にて Outstanding Research Award を受けた.本研究計画で他に立案していた人-遠隔操作ロボットと人-人での認知実験は,実験環境およびシステムの構築を進めたものの,実施に至ることはできなかった.遠隔操作ロボットで使用する予定の Oculus Rift というヘッドマウントディスプレイは,没入感を得られる反面,酔いを感じさせてしまうことが大きな問題となることが明らかになった.そのシステム開発に多くの時間を割いたことにより,人-人実験は設備および実験計画までを作成したものの実施することができなかった.
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Research Products
(3 results)