2014 Fiscal Year Annual Research Report
下側頭葉における脳の内部状態に依存した動的情報表現の検証
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24700270
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大橋 一徳 独立行政法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (90617458)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 情報表現 / 多点電極 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は外部環境からもたらされる同一情報に対する脳内情報表現様式が脳の内部状態に依存して変化するかどうかを検証するものである。前年度は同一視覚刺激に対する、下側頭葉マルチユニットの刺激選択性は受動状態、注意状態、記憶状態の3つの脳内状態に応じて変化することを明らかにしたが、本年度は下側頭葉コラム構造における視覚刺激選択性の状態依存について調査した。その結果マルチユニットと同様、コラム構造の刺激選択性も脳状態依存的に変化することが明らかになった。脳状態のコラム活動に対する影響は視覚刺激に対する時間応答特性に大きく現れており、受動状態における視覚応答のタイムコースは刺激ごとに異なっているが、注意、記憶状態になると、刺激が異なっているにもかかわらずお互いのタイムコースが相関を持つようになった。特に記憶状態では記憶対象のタイムコースと他の刺激に対する応答に強い相関が現れ、記憶対象の違いが他刺激との相関の強度に反映されるようになった。 また、コラム構造における神経活動の時間応答特性は受動状態、注意状態、記憶状態これら3つの状態に関連する神経活動の線形和で表現出来るという仮定のもと、コラム神経活動の時間応答特性のモデルを構築したところ、各脳状態における視覚刺激選択性をうまく再現することができた。
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