2013 Fiscal Year Annual Research Report
癌の病態、発病機序をゲノムレベルで理解するための統計学的手法の開発
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24700272
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白石 友一 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (70516880)
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Keywords | 統計数学 / 癌 / ゲノム |
Research Abstract |
近年のハイスループットシークエンス技術の発展により,点変異,欠失,転座などゲノムにおける異常が網羅的に検出できるようになりつつあり,癌の病態解明が大きく進むことが期待されている.しかし,膨大なシークエンスデータを扱うためには,大規模計算容量,ストレージを備えたスーパーコンピューターと共に,有用な情報を効率よく抽出するための統計的手法の開発が必要である.そこで,東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターにおいて開発しているシークエンスデータ解析のプラットフォーム,Genomonの開発を行った. また,癌ゲノムデータにおける体細胞変異検出において,シークエンスdepthが低い時や腫瘍の割合が小さい時に,変異をシークエンスエラーと区別することは難しく,適切な統計的手法が必要となる.そこで,体細胞変異検出のための新しい方法論を紹介する.提案手法においては経験ベイズ理論に基づいてシークエンスエラーの度合いのモデル化を行い,多数検体の非癌部データを用いてエラーモデルのパラメータを決定している.これにより各々のlociにおけるエラーの正確な評価が可能になり,depthが低い時,また腫瘍割合が小さい場合にも正確な変異検出をすることが可能になる.さらに, subcloneの検出も有効に行うことができる.さらに得られた研究成果を国際学術誌に発表した. 開発した手法,プラットフォームは,医学系研究者との共同研究において利用され,様々な癌種において新たな癌遺伝子の同定に繋がった.
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[Journal Article] Integrated molecular analysis of clear-cell renal cell carcinoma2014
Author(s)
Sato Y, Yoshizato T, Shiraishi Y, Maekawa S, Okuno Y, Kamura T, Shimamura T, Sato-Otsubo A, Nagae G, Suzuki H, Nagata Y, Yoshida K, Kon A, Suzuki Y, Chiba K, Tanaka H, Niida A, Fujimoto A, Tsunoda T, Morikawa T, Maeda D, Kume H, Sugano S, Fukayama M, Aburatani H, Sanada M, Miyano S, Homma Y, Ogawa S
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Journal Title
Nature Genetics
Volume: 45
Pages: 860-7
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] An empirical Bayesian framework for somatic mutation detection from cancer genome sequencing data2013
Author(s)
Shiraishi Y, Sato Y, Chiba K, Okuno Y, Nagata Y, Yoshida K, Shiba N, Hayashi Y, Kume H, Homma Y, Sanada M, Ogawa S, Miyano S
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Journal Title
Nucleic Acids Research
Volume: 41
Pages: e89
DOI
Peer Reviewed
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