2012 Fiscal Year Research-status Report
複数データセットからの高次元因果ネットワーク推定法の開発と生命科学への応用
Project/Area Number |
24700275
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 昌平 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (10509871)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 因果推論 / 因果構造探索 / LiNGAM |
Research Abstract |
初年度は、(1)「複数データセットからのLiNGAM モデル推定法の開発」の一部として(1-1) 複数データセットを融合する場合の推定原理の確立と、(1-2) それに基づく直接推定法の開発を行った。これが次年度以降の研究を進める上での基礎となる。予定通り、(1-1)と(1-2)を開発することができた。 また、(1-1)と(1-2)を未観測交絡変数がある場合へと拡張する研究も一部行った。具体的には、LiNGAMモデルを未観測交絡変数がある場合に拡張したLatent variable LiNGAMモデル上での因果分析法について研究した。因果構造の探索と未観測交絡変数の検出を同時に行うことによって、従来法のように未観測交絡変数を無視するのではなく、未観測交絡変数の影響のない(小さい)部分と大きい部分とを切り分けて、未観測交絡変数に対してより頑健な方法を研究した。そして、その成果を国内学会及び査読付プロシーディングのある国際会議で報告した(田代ら, 2012, 人工知能学会全国大会; Tashiro et al., 2012, ICANN)。来年度以降に予定している事項のためのよい準備となった。来年度は、雑誌論文で成果を発表できるように方法論を洗練させたい。 それ以外では、LiNGAMによる因果構造推定結果の信頼性を評価するために、LiNGAMにおけるブートストラップ法による信頼区間の構成法についての研究も行った。これについては、国内学会及び国際ワークショップにおいて成果を発表した(Thamvitayakulら, 2012, 人工知能学会全国大会; Thamvitayakulら, 2012, ICDMW2012)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、(1)「複数データセットからのLiNGAM モデル推定法の開発」の一部として(1-1) 複数データセットを融合する場合の推定原理の確立と、(1-2) それに基づく直接推定法の開発を行う予定だったが、どちらも達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、始めにLiNGAM モデルを拡張する。(2-1) 未観測の遺伝子や脳領域などの潜在変数がある場合にも、因果に関する有用な情報を取り出したり、(2-2) 遺伝子制御や脳活動などの時間構造を利用したり、(2-3) 非線形関係を推定できるようにしたりする。これら拡張と今年度開発した方法論を組み合わせて方法論の適用範囲を広げる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果発表のための国内学会および国際会議出席用の旅費。そして、情報収集のための書籍・論文購入に研究費を使用する。また、ソフトウェア開発補助としての大学院生への謝金、国際会議論文の英文校正へも使用する予定である。
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