2013 Fiscal Year Annual Research Report
無視不可能な欠測データの一般化モーメント法にもとづく解析方法の開発
Project/Area Number |
24700284
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
高井 啓二 関西大学, 商学部, 准教授 (20572019)
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Keywords | 欠測データ / 無視可能な欠測 / 欠測データメカニズム / 部分的にラベル付けされたデータ / 判別分析 / 漸近理論 |
Research Abstract |
期間全体を通じて欠測データ解析のための理論展開と,その判別分析への応用について研究を行った.理論研究の重要な結果として,欠測値を含むデータにもとづく最尤推定量の漸近的な性質を明らかにしたことを挙げることができる.また,その応用として,判別分析における部分的にラベル付けされたデータを用いて判別規則の構築とその性能についての研究を行い重要な結果を得た. 第一の研究として,欠測データに対して最尤推定法を用いたときの,最尤推定量の理論的な分布について調べた.尤度関数に従来の完全データの最尤推定量とは異なる条件を課したもとで,欠測データにもとづく最尤推定量が一致性と漸近正規性を有することを証明した.これらの結果は査読のある国際誌に受領された. 第二の研究として,ラベルが一部欠けているデータから判別ルールを構成する研究を行った.このようなデータは数理的には欠測データと見なせるので,第一の研究結果を用いることができる.本研究では,欠測データ解析の観点から,ラベルのつけ方には,完全にランダムにラベル付けする個体を選ぶ方法と,特徴ベクトルの値に応じてラベル付けをする方法の二つを考えた.従来,前者は機械学習の分野における暗黙の標準的仮定であった.本研究では,さらに後者の方法の有用性についても研究した.また,このラベルが一部欠けているデータの使い方として,ラベルのあるデータのみを使う方法とラベルのないデータも使う方法の二通りが存在する.本研究では,2通りのデータの生成の仕方と2通りのデータの使い方の組み合わせについて理論・数値的に研究した.特筆すべき発見は,ラベル付けが特徴ベクトルに依存していた場合には,ラベルのないデータの方が,つまりサンプルサイズが小さい方が,判別能力が上がるということである.以上の結果を国際学会で発表し,結果をまとめた論文は査読のある国際誌に受領された.
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