2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24700286
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
川口 淳 久留米大学, バイオ統計センター, 講師 (60389319)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳・神経 / 統計数学 / 画像解析 / 高次元データ / 国際情報交換 / アメリカ / 経時測定 / 認知症 |
Research Abstract |
脳に関するデータから疾患の治療や発見に役に立つような原因または特徴などの有効な情報を取り出す統計解析手法の開発を目的として,本年度は次のような研究成果を挙げた. アメリカのノースカロライナ大学のYoung Truong教授との共同研究において経時的に測定される脳画像からその測定期間内に被験者が行った運動に対応する脳活動部位を抽出するための方法を開発しfMRIへの適用を行った.その成果がIndependent Component Analysis for Audio and Biosignal Applications誌に掲載された.さらに,合成基底関数法を提案し脳画像から萎縮をとらえ認知症発症を予測するための方法論の研究を行った.その成果がAdvances in Data Analysis and Classification誌に掲載された.汎用性を持つ合成基底展開法は多くの発展が見込まれる.2つの拡張に取り組んだ.1つめは経時的に測定される画像を用いた場合に拡張し,国際学会で発表した.2つめとして臨床研究への応用を行った.血液検査により得られる臨床データと脳萎縮との関連を調べるための方法を開発し,その成果がComputational and Mathematical Methods in Medicineに掲載された. 脳に原発する悪性神経膠腫患者において遺伝子情報を用いた高次元データからの予後予測方法を開発し,研究成果は国際特許として出願し,Clinical Cancer Research誌に論文を発表した.疾患などのイベントが発生するまでの時間を主要評価項目とする臨床研究におけるノンパラメトリック共変量調整法に関する研究を行った.共変量を考慮するための方法に回帰式の仮定を必要としない方法の開発ができた.研究成果を学会において発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の経時的に測定される脳研究に対し研究成果を学術論文として公表し,疾患を予測するための方法論について礎となる研究成果を学術論文として発表した.その経時測定への発展もすでに取り組んでおり,国際学会でその成果の発表を行ったため,初年度の予定通りに研究が進んでいると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は方法論を詰めていく.コンピュータシミュレーションにより提案法の性能評価及び機械学習法など既存の手法との比較を行う.文献,公開ソースコードやこれまでの研究で用いたソースコードそして技術を活かして効率的に行う. 開発した方法および関連する技術を臨床研究に応用する.開発手法に含まれる次元縮小法は疾病予測のみならずさらに応用が可能であり臨床情報との関連を調べる事も可能であると考える.すでに鳥取大学医学部脳神経内科が行っている脳画像に基づくコホート研究に参加し共同研究を進めている.ここから臨床研究に役に立つような方法論の開発が期待できる.また,岩手医科大学の山下典生氏とはここ数年互いに協力し合いながら画像解析を進めてきた.今後も打ち合わせながら研究を進めていく. 開発した統計手法の理論的研究を行う.特に,予測に寄与する脳領域の選定法において正則化推定法を用いるが,その一致性などの理論的性質を調べる.本研究では高次元データを対象にしているため,サンプルサイズに関するのみならず,次元数に関する漸近理論に関連する文献調査を行う必要がある.方法論についてはノースカロライナ大学のYoung Truong 教授, Haipeng Shen 准教授とディスカッションを行いたい.両先生とも脳fMRI 解析を専門として統計手法の先端研究を行っており共同研究を行った事もあるため,方法論及び理論面からも有益な助言を得ることが期待できる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究で開発する方法の優越性を示すために,比較する既存の方法を選定する必要があり,それに関する情報収集を文献からもしくは学会に参加するなどして最新の情報を取り入れる.旅費及び図書購入費に補助金を使用する.打ち合わせ及び議論のための旅費に補助金を使用する.主に鳥取大学,アメリカノースカロライナ州,岩手医科大学を計画している.研究成果の発表として,日本計量生物学会年会(5月下旬),日本統計関連学会連合大会(9月上旬),計算機統計学会年会(11月上旬)で発表する.また論文の掲載を目指す.これらの費用に補助金を使用する.
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Identification and validation of a gene expression signature that predicts outcome in malignant glioma patients2012
Author(s)
Kawaguchi, A., Yajima N., Komohara Y., Aoki H., Tsuchiya N., Homma J., Sano M., Natsumeda M., Uzuka T., Saitoh A., Takahashi H., Sakai Y., Takahashi H., Fujii Y., Kakuma T. and Yamanaka R.
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Journal Title
International Journal of Oncology
Volume: 40
Pages: 721-730
DOI
Peer Reviewed
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