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2013 Fiscal Year Research-status Report

動物の行動文法の定量化とその構造特性の解明

Research Project

Project/Area Number 24700291
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

笹原 和俊  名古屋大学, 情報科学研究科, 助教 (60415172)

Keywords行動生物学 / 定量化手法
Research Abstract

平成25年度は、海外の共同研究者のもとで収集した鳥類のさえずりのデータ解析を中心に研究を進めた。まず、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のTaylor教授のもとで採取したチャバライカル(Black-headed Grosbeak)の複数個体のさえずりデータを前処理し、複雑ネットワークの手法を用いてさえずりの系列構造の地域差を定量化する研究を行った。この手法を用いると、地域差が異なるサブネットワーク・クラスターとして表現されることが分かった。この解析は現在も進行中である。
また、ニューヨーク市立大学ハンター校のTchernichovski教授のもとを訪れた際に、ジュウシマツのさえずりのリズム発達の解析に関して議論をおこなったが、その方針にもとづき、さえずりの時間構造が発達過程で学習される様子を定量化した。その成果に関して論文をまとめて投稿し、現在、審査中である。
さらに鳥類の行動系列データ以外に、京都橘大学の上北准教授のもとでげっ歯類のデグー(Octodon degus)の行動データをビデオ撮影し、解析方法の検討を開始した。しかしデグーの場合、通常の飼育状態ではアクティブな活動が見られなかったため、今後、求愛活動など特定の行動文脈において、どのような解析が可能かを検討した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成25年度は、鳥類のさえずりのデータ解析において大きな進展があった。まず、チャバライカル(Black-headed Grosbeak)の複数個体のさえずりのデータ解析において複雑ネットワークの手法を適応することに成功し、さえずりの系列構造の地域差を定量化することが可能であることが分かった。ただし今後、ケーススタディーを重ねて、適切なデータの前処理やパラメーターの設定を決定する必要がある。
また、ジュウシマツのさえずりのリズム発達の解析に関しては、リズムランドスケープという新しい手法を開発し、これを用いてデータ解析をおこなった。この手法の有効性を示す結果に関して論文をまとめて投稿し、現在、審査中である。
一方、鳥類のさえずり以外に、げっ歯類のデグー(Octodon degus)の行動データのビデオ撮影を行い、解析手法について検討を行った。しかし、通常の飼育状態では当初予想していた階層的な行動があまり観察されないことが明らかとなり、行動系列のモデル動物として適切かどうかは再検討する必要がある。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度は、鳥類のさえずりに加えてげっ歯類のデグー(Octodon degus)の行動データも検討したが、通常の飼育状態では当初予想していた階層的な行動があまり観察されないことが明らかとなったため、求愛活動など行動文脈を固定して行動を観察するなどの対策を検討する。
また、鳥類のさえずりの系列データ解析では大きな進展があったため、平成26年度はこちらを中心にさらに研究を進める。特に、現在解析中のチャバライカル(Black-headed Grosbeak)とジュウシマツのさえずりの系列構造の複雑さは質的にも量的にも異なるため、これらを比較するための解析手法について取り組む。また、これらの構造比較を通じて、複雑な系列行動を可能にするメカニズムとその生物学的基礎について調査する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

当初2014年3月に予定していた海外の共同研究者への訪問の時期を2014年4月以降に遅らせたため。渡米の予定が数ヶ月ずれただけなので研究遂行には問題はない。
平成26年度も引き続き共同研究者のもとで鳥類のさえずりの野外録音とデータ解析、および解析に関する議論を行う。共同研究者のもとに滞在するために旅費を使用する。また、データ解析の効率化や行動データのバックアップをとるためにハードディスク等のコンピュータ周辺機器を購入する。さらに、最新の理論生物学に関する知見を仕入れ、研究成果を報告するために国内外の学会に参加するための旅費を、研究成果をまとめて論文投稿するために論文掲載費と英文校閲の費用がそれぞれ必要である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2014 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] 鳥の複雑なさえずりの進化的デザイン2014

    • Author(s)
      笹原和俊
    • Journal Title

      京都大学数理解析研究所講究録

      Volume: 1917 Pages: 159-163

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] 鳥の複雑なさえずりの進化的デザイン2013

    • Author(s)
      笹原和俊
    • Organizer
      第10回生物数学の理論とその応用
    • Place of Presentation
      京都大学数理解析研究所
    • Year and Date
      20131121-20131121
    • Invited

URL: 

Published: 2015-05-28  

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