2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24700301
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三浦 佳二 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (60520096)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 情報幾何学 / 時系列 / 神経科学 / 応用数学 / 情報生命 |
Research Abstract |
動的な脳活動等のデータを解析する際に、環境や動物の状態が変化していく非定常性が問題となることが多い。本研究では、無限次元の情報幾何学を用いることで、時系列の平均値がドリフトし、さらにその時間発展の関数形に無限の可能性があったとしても、それとは“直交”する、時間変動しない統計パラメタ(ゆらぎや相関などの高次統計量)を正確に推定することを目指す。モデルを完全には特定せずに、ドリフトにあらゆる可能性が残る中で、一部の統計パラメタを正確に推定できるのは驚くべき事である。各種高次統計量に対して、この魔法のような推定法を開発し、脳計測データの解析に応用する。 本年度の1つ目の成果としては、上記枠組みにおいて、相関を推定する方法を開発した。各種研究会において発表して内容を深めた。特に、「情報統計力学の最前線 ―確率が繋ぐ自然現象と情報処理の数理―」(YSM-SPIP 2012)においては招待講演を行った。この内容を論文にまとめて、"Interdisciplinary Information Sciences"誌に投稿した。なお、神経科学における相関の推定の重要性をまとめたものを、国際会議SCIS-ISIS 2012において口頭発表して、プロシーディングスとして論文を出版することも行った。 本年度の2つ目の成果としては、上記枠組みにおいて、文字列の繰り返しやすさを推定する方法を開発し、各種研究会において発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、神経電気生理学のデータ解析に役立つ情報幾何学に基づく指標3点セット(不規則性、相関、行動選択の繰り返し易さ)の開発が進み、完成されつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究計画の1つ目の目標である、神経電気生理学のデータ解析に役立つ情報幾何学に基づく指標3点セット(不規則性、相関、行動選択の繰り返し易さ)を完成させるのが急務である。 2つ目の目標として並行して、情報幾何学の枠組みを、脳情報処理の確率モデル構築のために役立てる路線を進める予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ解析手法の研究成果を発表したり、脳情報処理の確率モデル構築のために必要となる電気生理学の情報を収集するために旅費として使用する予定である。 本研究プロジェクトの全般を通して高度な数学を用いるために、特に数学関連の書籍が必要となることと、確率モデルの数値計算及びデータ解析のための計算機が必要となるために、物品費を使用する予定である。
|
Research Products
(14 results)