2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24700301
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
三浦 佳二 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (60520096)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Information Geometry / Applied Topology |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度においては、広く「応用現代幾何学」の方法を脳科学・脳工学へと応用した。高度に抽象的な幾何学を積極的に使ったデータ解析は珍しいものであり、このような野心的な挑戦が新しいイノベーションを生み出すと期待するものである。具体的な成果の1つとしては、前年度に方法論として開発したグラフのHodge-小平分解を応用する事で、ネットワーク中のループの数から、神経回路網の学習則の違いを判別することができた。このことは、トポロジーをただ計算してみるだけではなく、重要な問題を解決するために極めて有効となるケースがある事を示した。また、情報幾何学の応用として、安静状態であっても変動し続ける脳活動において、視覚刺激に対する相対的に小さな応答を、どのように情報処理しているか、という問題を指導学生の卒業研究として進めた。雑誌論文としては未発表であるが、今後一連の研究へと発展することが期待できる。これらに限らず、現代幾何学を用いた解析手法が極めて効果的な応用先がこの1年で数多く見つかったことも収穫であり、今後のこの路線における研究の発展は間違いないものと確信することができた。
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