2013 Fiscal Year Research-status Report
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24700318
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
野住 素広 新潟大学, 医歯学系, 講師 (00420323)
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Keywords | 神経科学 |
Research Abstract |
極長鎖脂肪酸伸長酵素のTecr (trans-2,3-enoyl-CoA reductase)は神経成長円錐に濃縮されており、siRNAによるノックダウンで軸索の伸長が阻害される。極長鎖脂肪酸の炭素鎖伸長は小胞体の4つの酵素が必要であるが、抗体による免疫染色で4酵素とも成長円錐に存在することが確認できた。神経成長において成長円錐のTecrが局所的に機能することが必要かどうかを明らかにするため、光照射分子不活性化法を使って成長円錐に存在するTecrを局所的に不活性化させて、神経突起伸長への影響を調べている。リピドミクス解析で、成長円錐膜画分からドコサヘキサエン酸を含むホスファチジルセリン、エイコサペンタエン酸を含むホスファチジルイノシトールを検出した。Tecrがこれら成長円錐特異的な脂質合成に関与することを証明するため、Tecr遺伝子を欠損したノックアウトマウスを作製したが、ホモ接合型は胎生致死のため、正常に発育するヘテロ接合型から得られた脳で脂質成分の解析を行うことを計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Tecrノックアウトマウスのホモ接合体が初期発生の段階で致死であり、計画していたTecr欠損神経細胞の入手が困難になった。今後は細胞レベルで光照射分子不活性化法を使った成長円錐局所でのTecrの不活性化を試み、神経成長への影響を調べる。
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Strategy for Future Research Activity |
計画していたマウスでの脳神経系における表現型解析は難しくなったため、細胞レベルでの解析を主とする計画に変更する。光照射分子不活性化法を使った成長円錐局所でのTecrの不活性化を試み、神経成長への影響を調べる。また正常に発育するヘテロマウスの脳を使って生化学的解析を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究で使用する予定であったTecrノックアウトマウスは本研究課題で作製できたが、ホモマウスは当初の予定に反して、現時点で胎生初期の致死が判明した。したがってホモマウス解析用の経費が未使用額となったので、研究期間を1年延長して解析を行う。 神経系での表現型がホモマウスのみでは十分解析できないため、最近大阪大学で開発されたSuperNovaによる分子不活化を組み合わせ、ヘテロマウスを含めて解析することにした。これらの実験を行う経費、及び成果発表に関する経費を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充当する。
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Research Products
(4 results)