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2012 Fiscal Year Research-status Report

1次視覚野神経細胞の周辺抑制によるテクスチャ立体視情報処理の検討

Research Project

Project/Area Number 24700325
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

佐々木 耕太  大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (40467501)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords受容野 / テクスチャ / 両眼立体視 / 1次視覚野 / 周辺抑制 / 側抑制 / 多点電極 / 逆相関法
Research Abstract

1次視覚野神経細胞は周辺抑制の性質を示すことはよく知られている。この研究の課題は、その性質を高次の(すなわちコントラストの)空間パターン検出器であるテクスチャ受容野としてとらえ、それを左右両方の眼について、麻酔不動化した実験動物において定量的に計測することである。もしテクスチャ受容野の構造が左右眼間で異なる神経細胞が見つかれば、テクスチャ奥行き視の情報処理は記録を行った領野から始まっていることがわかる。さらに、どのような神経細胞ネットワークにより個々の細胞のテクスチャ受容野が生成されるのか、明らかにすることもこの研究の課題である。
平成24年度は、新しく開発した視覚刺激と逆相関法を改良した解析法により、ネコ1次視覚野細胞において細胞外電位記録を行い、順調にデータを取りためた。新しく開発した視覚刺激と解析法は、テクスチャ受容野の構造を、これまでになかったほうほうで定量的に明らかにできるものである。得られた成果は、第35回日本神経科学大会、北米神経科学大会(Annual meeting of Society of Neuroscience)Neuroscience 2012においてポスター発表を行い、公表した。
また、よりヒトに近い動物である、サルにおける実験の系を立ち上げた。平成25年度には、ネコ1次視覚野における実験を継続するとともに、サル1次視覚野において多点電極を留置し、多数の細胞の活動を同時に計測する。このような方法で、同時に記録できた細胞の入出力関係を明らかにすることにより、どのような性質を持つ神経細胞から入力を受け取ることによって、1次視覚野の個々の神経細胞のテクスチャ受容野が生成されているのか明らかにできると期待している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成24年度には、麻酔・不動化したネコにおける電気生理学実験を行ってデータを取りためるとともに、麻酔・不動化したサルにおいても同様の実験ができるように、実験系を立ち上げた。ネコにおいて得られた成果は、第35回日本神経科学大会、北米神経科学大会(Annual meeting of Society of Neuroscience)Neuroscience 2012においてポスター発表を行い、公表した。以上は、交付申請書に記載した通りの達成度である。
平成25年度には、細胞集団に対する統計解析ができるように、麻酔・不動化したネコにおけるデータをさらにとりためる。それに加え、麻酔・不動化したサルに多点電極(ユタ電極)を埋め込み、一度に多数の神経細胞から記録を取る準備を進めている。そのため、平成24年度は、こうした技術を持っている研究室の見学を行うなどして、情報収集を行った。これまでの、電極を2本、脳に刺入する方法では、一度に多くても3、4個程度の神経細胞からしか記録ができなかった。この研究の一つの目標は、テクスチャ受容野を生成する神経細胞ネットワークを同定することである。この目標を達成するためには、多点電極を用いて、一度に多数の神経細胞から記録を取り、それらの入出力関係を明らかにしなくてはならない。平成25年度にこうした課題に取り組む。研究室が移転したことに伴い、現在一時的に実験ができない状態にある。これをできるだけ早く復旧させる。平成24年度を終えたところで以上のような、平成25年度への準備状況にあるのは、おおむね交付申請書に記載した通りの達成度である。

Strategy for Future Research Activity

麻酔・不動化したネコ1次視覚野における実験はこれまでのところ順調にデータを取りためつつあった。現在は、研究室が移転したことに伴い、一時的に実験ができない状態にある。実験ができる環境をできるだけ早くととのえ、細胞集団の統計的解析ができるようにデータをさらに蓄積する。視覚刺激や解析方法は平成24年度までに開発したものが使用できる。
麻酔・不動化したサル1次視覚野に多点電極を留置し、多数の細胞から同時に応答を記録する。研究室にとって新規なことであるし、いささか大掛かりな手術となるが、ほかの研究者との連絡、連携を密にすることなどで、成功させる。多点電極により得られた膨大な細胞応答データをPCに取り込み、解析する。これにより、個々の1次視覚野神経細胞のテクスチャ受容野がどのような性質を持った細胞から入力を受け取って生成されているのか明らかにしたい。
得られた成果は日本神経科学大会、および北米神経科学大会(Annual meeting of Society of Neuroscience)において発表し、公表する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

動物の手術や電気生理学的記録などを行うために消耗品が必要である。さらに、得られた成果を次年度の日本神経科学大会、および北米神経科学大会(Annual meeting of Society of Neuroscience)において発表し、公表するために旅費が必要である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] Interocular comparisons of texture receptive fields of V1 neurons2012

    • Author(s)
      Kota S Sasaki, Izumi Ohzawa
    • Organizer
      Neuroscience 2012
    • Place of Presentation
      New Orleans
    • Year and Date
      20121016-20121016
  • [Presentation] コントラスト変調グレーティングによるテクスチャ受容野マッ ピング2012

    • Author(s)
      佐々木耕太、大澤五住
    • Organizer
      第35回日本神経科学大会
    • Place of Presentation
      名古屋
    • Year and Date
      20120918-20120918

URL: 

Published: 2014-07-24  

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