2013 Fiscal Year Annual Research Report
1次視覚野神経細胞の周辺抑制によるテクスチャ立体視情報処理の検討
Project/Area Number |
24700325
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐々木 耕太 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (40467501)
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Keywords | 受容野 / 両眼立体視 / テクスチャ / 両眼視差 / 逆相関法 |
Research Abstract |
ネコやサルなどの1次視覚野では、多くの単一神経細胞において、受容野周辺の限られた領域から抑制性の入力があることがよく知られている。こうした周辺抑制は、途切れた線分やテクスチャ境界の検出など、単眼性の視覚情報処理に役立つと考えられてきた。1次視覚野のほとんどの細胞は両眼から入力を受け取っていることに着目し、この研究では、ネコ1次視覚野単一神経細胞のテクスチャ受容野(古典的受容野と周辺抑制を描ける領域)を両眼ともに測定し、周辺抑制が立体視情報処理にどのように寄与しているか検討した。 テクスチャ刺激に対する応答を新規な解析法により解析したところ、神経細胞によって、テクスチャ受容野の構造が左右眼で似ているものも、似ていないものもあることがわかった。1次視覚野単純型細胞は、左右眼での古典的受容野構造が様々に異なることにより明るさに対する両眼立体視情報を符号化している(位相差による両眼視差の符号化)。私が得た結果は、以上と似た方法で、テクスチャに対する立体視情報処理が1次視覚野においてすでに行われていることを示唆する。 また、従来の計測方法では単眼性の神経細胞と判断されるものの、応答しないと判断される眼において、実際には強い抑制性の入力を受けている神経細胞もあることが、この研究で開発した解析法により明らかになった。これらの細胞は、いわゆるダビンチ立体視に寄与することが考えられる。
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Research Products
(9 results)