2014 Fiscal Year Annual Research Report
Hox変異マウスを糸口にしたトノトピー形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
24700336
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Research Institution | Nagoya Bunri University |
Principal Investigator |
成田 裕一 名古屋文理大学, 健康生活学部, 准教授 (40360614)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Hox / トノトピー / 聴覚回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
納入が遅れていた、顕微鏡用蛍光装置を導入し、内耳神経の投射についてのsingle axonレベルでの解析を行った。しかし、予定していたデキストランによる標識法では、single axonの再構築が可能なほど少数の内耳神経を標識することが非常に困難であった。その代替策として、蝸牛神経核へのシナプス形成を免疫染色により、可視化して、それを3Dで再構築する方法を確立した。この方法により、一つの蝸牛神経核細胞への内耳神経のシナプス形成をHoxa2/Hoxb2 cKOと対照群マウスの間で比較したところ、Hoxa2/Hoxb2 cKOマウスにおいて、対照群と比較して有意に多数の内耳神経が、一つの蝸牛神経核細胞に対してシナプスを形成していることを明らかにすることができた。 また、Hox遺伝子の下流因子の候補であったephrinb2のミュータントマウスを用いて、定量的なトノトピー解析を行ったところ、Hoxa2/Hoxb2 cKOの表現型と同様に、内耳神経から蝸牛神経核への投射が不正確になっていることが確認できた。この結果から、少なくともephrinb2は、Hoxa2/Hoxb2 の下流で作用し、トノトピーの正確性を維持する機能を担っていることが推測された。
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