2013 Fiscal Year Annual Research Report
行動決定におけるラット前頭前野錐体細胞と介在細胞の役割と皮質下投射細胞の出力情報
Project/Area Number |
24700345
|
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
半田 高史 独立行政法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (40567335)
|
Keywords | ラット / 大脳皮質 / 線条体 / 行動選択 / 多細胞集団 |
Research Abstract |
行動選択におけるラット前頭前野(PFC)の多細胞集団の処理メカニズムと出力情報を理解するために,行動選択課題遂行中のラットPFCから細胞活動を記録し,細胞集団活動がどのように表現されるかを解析した.多細胞活動がどのように行動選択にかかわる情報を処理するかを調べるために,機械学習による計算法のフィッシャー線形分離法を用いた.これにより,細胞集団の発火頻度ベクトルが,どのように選択行動を予測できるかを検証した.その結果,PFC細胞集団は手掛かり刺激が新規な音に対し聞き慣れた音の時と似たような発火パターンを示すことがわかり,事前情報を利用して情報処理に寄与することが示唆された. PFCから皮質下神経核である背側線条体(STR)に投射する錐体細胞の出力情報を電気生理学的および組織学的に調べるために,前年度の解剖学的な予備実験をもとに,記録実験4日前に逆行性トレーサFluoro-gold(FG)をSTRに微量注入し,4日後投射細胞がラベルされると想定されるPFCに微小電極を刺入し傍細胞(ジャクスタセルラー)記録を行った.同時にPFCとSTRからはマルチユニット記録を行った.選択課題遂行中のラット(約30匹)から神経活動を記録した.FGにラベルされた投射細胞が分布する領域で傍細胞記録し,ラベルすることに成功した.ラベルされた細胞とFGでラベルされた投射細胞が二重標識される例はまだ観察されていないので(組織学的検証は継続中),STRへの投射細胞の役割を直接的に明らかにするには現状では更に改善が必要である.PFCとSTRの多細胞集団は,ともに行動選択を予測することが示唆され,このPFC-STRネットワークが行動選択に関わることが示唆された.さらに詳細な解析によって領野間の処理情報の流れを明らかにしたい.
|
Research Products
(4 results)