2013 Fiscal Year Annual Research Report
p73シグナルが関与する成体神経新生異常と抑うつ様行動発症機構の解明
Project/Area Number |
24700355
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤谷 昌司 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 助教 (40376372)
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Keywords | p73 |
Research Abstract |
本研究は、p53ファミリー分子TAp73と糖質コルチコイドシグナルの相互作用を明らかにすることにより、海馬神経新生の異常を介した抑うつが発生するメカニズムを解明することである。平成25年度の実験計画通り、 (i) 種々のストレス負荷による抑うつ様行動にTAp73が関与していることを行動学的に証明 (ii)その原因となると考えられる海馬における神経新生への影響を証明 するために、以下の様な研究を行った。 p73が関与していることを証明するために、野生型マウスにおける基礎検討を行った。先行研究(David DJ et.al.,neuron 2009)の方法と同様に、低容量糖質コルチコイ ド35ug/ml=5mg/kg/day)を投与することで、ストレス状態に近い状況を作りだすことに成功したと考えていたが、実際は、論文同様にオープンフィール ドテストにて10分間のtotal distanceに低下傾向を示したが、明らかな体重増加が有ることがわかったため、ストレス状態モデルと論ずることが極めて難しいことがわかった。 このことにより、p53ファミリー分子のmRNA、蛋白が海馬において上昇す るかどうか、real-time PCR法,ウェスタンブロット法などにより定量評価を行った。予備的な検討では、p53,TAp73の発現自体には影 響が見られなかった。 p53,p73の影響が考えづらいことが予想されたため、研究方針の変更が必要であった。 p73発現を確認しかつ、p73をノックアウトするために、p73遺伝子配列にLacZ発現カセットが挿入されたノックイン/ノックアウトマウスを作成するべくMMRRCよりES細胞を入手し、キメラマウスを作成した。ヘテロマウスを用いて発現を確認したところ、p73の発現は、成体では視床下部の一部、上衣細胞層に明確に認められたが、海馬には認められなかった。また、生後期のマウスの海馬には発現が認められたことから、成体における海馬の神経新生への影響は限定的であると考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Transient maternal IL-6 mediates long-lasting changes in neural stem cell pools by deregulating an endogenous self-renewal pathway.2013
Author(s)
Gallagher D, Norman AA, Woodard CL, Yang G, Gauthier-Fisher A, Fujitani M, Vessey JP,Cancino GI, Sachewski N, Woltjen K, Fatt MP, Morshead CM,Kaplan DR, Miller FD
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Journal Title
Cell stem cell
Volume: 13(5)
Pages: 564-576
DOI
Peer Reviewed
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