2012 Fiscal Year Research-status Report
p62とNrf2がシヌクレイン封入体の形成に及ぼす影響の解明
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24700363
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小田桐 紗織 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (80374817)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 該当なし |
Research Abstract |
αシヌクレイントランスジェニックマウス(A53変異;A53T-SNCA-TG)とp62ノックアウトマウス(p62-KO)を交配し、4系統のマウス(SNCA-/p62-、SNCA-/p62+、SNCA+/p62-、SNCA+/p62+)を作成した。病理組織学的科学的解析としてリン酸化αシヌクレインの抗体による免疫染色を行ったところ、p62の有無に関わらず、A53T変異遺伝子を導入したマウス(SNCA+/p62-、SNCA+/p62+)で脳内に封入体の形成が認められた。このことからp62がなくても封入体が形成されることが確認された。また「モーリス式水迷路試験法」を用いた空間記憶学習テストを行った結果、野生型(SNCA-/p62+)と比較して、遺伝子改変マウスではゴールへの到達時間が長くなる、または到達できない傾向があることが確認され、特にp62ノックアウトマウス(SNCA-/p62-、SNCA+/p62-)ではこの傾向が顕著であった。生化学的解析として、ドットブロット法を用いた封入体数の比較は次年度行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
授業や実習にかかる時間の関係上、また、交配により得られたマウスの離乳率、生存率の低さにより必要なマウスの数が揃い難いため、24年度に計画していたA53T-SNCA-TGとp62-KO交配マウスでの封入体数の比較、タウ変異遺伝子トランスジェニックマウスとp62ノックマウスの交配・解析が出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度に実施できなかったαシヌクレイントランスジェニックマウス(A53T-SNCA-TG)とp62ノックアウトマウス(p62-KO)を交配して得られた4系統のマウス(SNCA-/p62-、SNCA-/p62+、SNCA+/p62-、SNCA+/p62+)での封入体数の定量比較、ならびにタウ変異遺伝子トランスジェニックマウス(P301L-Tau-TG)とp62(p62-KO)ノックマウスの交配による4系統のマウス(Tau-/p62-、Tau-/p62+、Tau+/p62-、Tau+/p62+)の作成と病理組織学的解析、リン酸化タウの生化学的定量比較、行動解析を行う。 またNrf2が封入体形成に及ぼす影響を調べるため、αシヌクレイントランスジェニックマウスとNrf2ノックアウトマウスを交配した4系統のマウス(SNCA-/ Nrf2-、SNCA-/ Nrf2+、SNCA+/ Nrf2-、SNCA+/ Nrf2+)、ならびにタウトランスジェニックマウスとNrf2ノックアウトマウスを交配した4系統のマウス(Tau-/ Nrf2-、Tau-/ Nrf2+、Tau+/ Nrf2-、Tau+/ Nrf2+)を作成し、病理組織学的解析、封入体数の定量比較、行動解析を行う。 さらに、p62、Nrf2の他に封入体形成に関与していると思われるNBR1(p62と相互作用するユビキチン化蛋白レセプター・アダプター)およびKeap1(p62、Nrf2と相互作用するユビキチンリガーゼ複合体)のαシヌクレイン封入体形成への関与を調べるため、24年度で得られたマウスの病変部位を用い、それぞれの抗体を用いた免疫組織化学的検討、ウェスタンブロットによる生化学的検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・24年度に実施出来なかったA53T-SNCA-TGとp62-KO交配マウスを用いた脳内封入体数の定量比較、タウ変異遺伝子トランスジェニックマウスとp62ノックマウスの交配・解析に必要なマウスならびに試薬・抗体の購入費に前年度より繰り越した研究費を使用する。 ・研究結果の発表のための支出として、学会参加費およびそれに伴う旅費、論文投稿の為の英文校正・論文投稿費に使用する。
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[Journal Article] Keap1 is localized in neuronal and glial cytoplasmic inclusions in various neurodegenerative diseases2013
Author(s)
Tanji, Kunikazu PhD; Maruyama, Atsushi PhD; Odagiri, Saori PhD; Mori, Fumiaki PhD; Itoh, Ken MD, PhD; Kakita, Akiyoshi MD, PhD; Takahashi, Hitoshi MD, PhD; Wakabayashi, Koichi MD, PhD
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Journal Title
Journal of Neuropathology & Experimental Neurology
Volume: 72
Pages: 18-28
DOI
Peer Reviewed
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