2013 Fiscal Year Research-status Report
抗体提示型ウイルスベクターを用いた平行線維・登上線維選択的遺伝子導入法の確立
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24700394
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
今野 歩 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40509048)
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Keywords | ウイルスベクター / 小脳 / 抗体 |
Research Abstract |
【抗体提示型レンチウイルスベクターの最適化】 この研究項目に対しては前年度までにある程度進捗しており、さらに液体クロマトグラフィーを用いた精製法を確立することが本年度の課題であった。これに関しては、陰イオンクロマトグラフィーカラムHiTrapQ HPを使用することにより、精製可能であったため、容易に実現できた。具体的な方法は以下の通りである。「①HEK293細胞に4種類のプラスミドをco-transfection②翌日、IgG-FreeのFBSを含む培地に培地交換③3日後に培地上清に出てくる抗体提示型ウイルスベクターを超遠心により回収④ウイルスベクターをPBSに懸濁⑤AKTA Primeに取り付けた、HiTrapQ HPカラムにアプライ⑥NaClによるグラジエント溶出により、一本のピークとして、ウイルス画分を得た」 【抗体の作成】 抗体の作成に関しては、前年度に完了している。しかしながら、マウス小脳スライスに対して、作成した抗体を用いた免疫組織染色をしたところ、あまり良好な染色結果が得られなかった。このため、精製が必要であると思われるが、Affinity精製をするための適切なペプチド固定化カラムが販売しておらず、抗体の精製に関しては進捗がみられていない。未精製であっても、感染が成立する可能性はあるので、まずはこれで感染実験を行うこととした。 【実際のマウスでの感染実験】 本年度の後半からマウスへの感染実験を行う予定であったが、ウイルスベクターの投与までは行ったが、感染結果の確認までは現在までのところ至っていない。今後、検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
概要に示したとおり、抗体の精製・マウスでの感染実験において、研究の進捗が遅れている。理由としては、平行して研究を進めていた「ウイルスベクターによる脊髄小脳変性症の遺伝子治療の研究」の方が順調に進捗していたため、そちらエフォートの多くを費やしていた。特に、本年度は論文を提出し、その改訂の対応にも追われていたことも大きな理由である。しかし、本論文は受理され、国際誌に掲載済「Konno A et al., Mutant Ataxin-3 with an Abnormally Expanded Polyglutamine Chain Disrupts Dendritic Development and Metabotropic Glutamate Receptor Signaling in Mouse Cerebellar Purkinje Cells. The Cerebellum 2014 Feb;13(1):29-41.」である。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスへの感染実験を特に重点的に実施する。感染実験を行ったマウスに対しては、小脳スライスを作成し、免疫組織染色を行うことにより、特異的な遺伝子導入が起きているかどうかの確認を行う。 一方で、平行して行っていたアデノ随伴ウイルス(AAV)を用いた研究が、多方面に進捗しつつあるので、AAVを用いた顆粒細胞特異的な遺伝子導入法も、場合に応じて検討していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品費の利用額の誤差の範囲と考えられる。 主に消耗品と学会参加のための旅費に使用する。
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[Journal Article] Mutant ataxin-3 with an abnormally expanded polyglutamine chain disrupts dendritic development and metabotropic glutamate receptor signaling in mouse cerebellar Purkinje cells.2014
Author(s)
Konno A, Shuvaev AN, Miyake N, Miyake K, Iizuka A, Matsuura S, Huda F, Nakamura K, Yanagi S, Shimada T, Hirai H.
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Journal Title
Cerebellum
Volume: 13
Pages: 29-41
DOI
Peer Reviewed
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